2005年1月1日号(第489号)

再建15周年、閉塞感打ち破り安心できる社会の実現を

執行委員長 木村幹雄

新年明けましておめでとうございます。

21世紀に入り4年が過ぎました。戦争の世紀に別れを告げて新しい世紀を迎えたつもりが、イラクでは戦争が沈静化するどころか、アメリカを中心とする武力侵略に対する武装勢力の抵抗が激化の一途をたどり、泥沼の様相を呈しています。そして日本では小泉首相が「自衛隊の居るところが非戦闘地域」と訳のわからない開き直りの答弁で、自衛隊のイラク派兵延長を決定してしまいました。京都でも昨年は、鳥インフルエンザや台風23号被害など、大きな災害に見舞われ、地球環境の悪化が原因との声も聞かれています。2004年を象徴する漢字は『災』でした。

なんという暗い影を引きずった年明けかと気持ちも沈みがちですが、今年、自治労京都府本部は再建15周年を迎えます。あの再建に向けた熱意を持って、この社会に漂う閉塞感を打ち破っていきたいものです。小泉スローガン内閣による公共性や住民サービスの基本を捨て去った「指定管理者制度」や「市場化テスト」などによって、自治労の職場環境が大きく変わろうとしている今、私たちはあくまでも、市民のための「質の高い公共サービス」をめざし、地方分権推進、地方自治確立の取り組みを進め、みんなに安心を与えることのできる社会をつくっていきたいと思っています。

本年も引き続き、府本部活動へのみなさんのご協力をお願いいたします。

取り戻せるか地球環境

問題の本質は人類存亡の危機

「地球環境はがけっぷちに立っている」と言われる現在、人類はその解決に行き詰まっているように見える。革新的なテクノロジーが出現しない限り、子どもたちの明るい未来はないのか? 自然が壊れ、環境が汚れ、動植物たちがいなくなること自体を問題とする向きもある。しかし本当の環境問題は、今の豊かさが子どもたちの時代まで長続きしそうにないこと。人類存亡の分かれ目が迫っているかもしれないということだ。

われわれは、エコロジー(環境)とエコノミー(経済)が対立する多くの局面においてエコノミーをとった。その結果、環境はほとんどメチャメチャと言えるような状態になってしまった。一方、選んだはずの経済も長い低迷を続けているのが現実だ。われわれは何を間違えたのか?素晴らしい環境と豊かさを取り戻すためにはどうすればよいのか?と、近自然(工)学研究家の山脇正俊氏は言う。

今年は観測史上最大の台風10個が日本に上陸、日本近海での台風発生、熱帯夜や夏日の日数も過去最大となった。地球温暖化の危機だとマスコミも報道し、国民も危機感を感じ始めている。しかし気温は毎年徐々に上がって行くわけではない。多くの人は、一夏過ぎて、来年また冷夏が訪れれば忘れ去ってしまうのかもしれない。

地球の温暖化は確実に進行している。温暖化ガスの排出状況もまた、産業革命を期に確実に増大の一途をたどっている。 昨年10月、ロシアが京都議定書を批准し、今年2月に発効することとなった。日本は1990年時の温暖化ガス発生量の6%削減を義務付けられているが、2002年度実績でCO2排出量は7.6%増だ。2005年からの第2ステップ、2008年から2012年の第3ステップを経て、13.6%の削減が義務付けられることになる。(最新情報では、2003年度実績で日本は8.0%の増)

一方、EUは1990年比で目標マイナス8%に対して、2002年度マイナス2.9%の削減を実現した。着実な温暖化対策を進めるEUに比べ、日本の取り組みは極めて遅れている。

自らの身の回りから徐々にいなくなる絶滅危ぐ種の存在に、危機感を抱く人はどれほどいるのだろうか?持続可能な社会を未来の子どもたちへ、と叫ばれて10年以上が経過するが、これほど人間はばかな生き物なのだろうか? 一度に温度が五度上がるわけではない。自らの家の前が水浸しになるまで気づかないのかもしれない。

知っておきたい地球にやさしいこと

「連合エコライフ21」より

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エアコンは無駄なく上手に!

エアコン(暖房・冷房)は電力消費量が高い家電機器の1つです。その設定温度や使用時間などにより、電気消費量とそれに伴うCO2の排出量はかなり抑えることが可能です。

夏の冷房は28度以上、冬の暖房では20度以下が理想的。

エアコンの設定温度が1度違うだけで冷房では2.75kg、暖房では11.56kgも年間のCO2排出量が異なります。エアコンだけに頼りすぎず、衣服などによる温度調節を行うよう心がけましょう。

使わない電気機器のスイッチはこまめにオン・オフ。

オフィスでも昼休み時は消灯を心がけ、使用しない電気機器のコンセントはこまめに抜くようにしましょう。

節水でCO2の発生を抑制!

水道水の供給や下水処理には、膨大な電力が使われています。水の消費量を節約すれば、CO2の排出量を減らすことができ、地球温暖化の防止にもつながるのです。

出しっぱなしは禁物!日頃から節水の心がけを。

1日に30分間蛇口を開けっぱなしにすると、約540リットル(一升瓶300本分)の水が流出します。これは1年間で約31.5kgのCO2の排出に相当します。食器洗いや歯磨き、洗顔など、日常生活で水をたくさん使うときには、節水を心がけましょう。 自動車の排気ガスは温暖化の原因。

私たちの生活には欠かせない車ですが、その排気ガスにはCO2がたくさん含まれています。できるだけ車の使用を控えることが、温暖化の防止にもつながります。

ムダなアイドリングは厳禁!

車のエンジンを30分間切れば、CO2を約0.27kg削減できます。人を待つときや荷物の積みおろしをするときなどは、車のエンジンを切るように心がけましょう。

災害に備えよう〜東南海・南海地震

地震から身を守るために

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「東南海・南海地震」は、紀伊半島から四国沖の南海トラフ沿い(フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界付近)のプレートの境界で発生する海溝型地震。100年〜150年の間隔でマグニチュード8クラスの巨大地震が繰り返し発生するといわれている。国の中央防災会議によれば、マグニチュードは8・6、最悪の場合、全国で死者約17800人、建物の地震の揺れによる全壊・火災を含め約62万棟の建物被害が発生、大阪でも震度5強〜6弱と想定されている。

東南海・南海地震は東海から近畿、四国、九州にわたる非常に広範囲に被害が及ぶとともに、海底で発生するので津波が発生するのが大きな特徴。大阪市の想定では、発生から約2時間で、最大2.9メートルの津波が来襲するとされている。

地震への備えは「公助」「共助」とともに、自らを守る「自助」が重要だ。そこで地震から身を守るための心得を列記した。

  • 非常持ち出し品を用意する(食糧・飲料水、薬品、貴重品、衣類・日用品など)
  • 家屋の耐震診断や耐震補強などについて検討を
  • 家族の安否を確認(事前に連絡先を決めておく、NTTの災害時伝言ダイヤル171も利用)
  • 正しい情報をラジオ、テレビ、広報車などを通じて入手する
  • 海岸や河川敷で強い揺れを感じたときや、弱い地震でも長い間ゆっくりとした揺れを感じたときは、直ちにその場を離れ、急いで安全な場所(時間の余裕がない場合は三階建て以上の鉄筋コンクリートなどの堅固な建物)に避難
  • 津波注意報でも海水浴や釣りは危険、津波の見物もやめる
  • 津波は繰り返し襲ってくるので、警報、注意報解除まで警戒する

阪神・淡路大震災から十年を迎えるこの年に、「災害は忘れた頃にやってくる」ということを念頭に災害に備えを。

ふろしきで心和ませ

エコロジー&スローライフを

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昔から物を包む時に用いられてきたふろしき。紙袋やビニール袋の普及で目にすることが少なくなっていたが、大量消費・大量廃棄にともなう森林破壊やごみ問題などから地球環境を守るツールとして、その良さが見直されている。

ふろしきは慶事・弔事に限らず、普段のちょっとしたラッピングや、ショッピングバッグとして使うことができる。たった一枚の布が物の形にあわせて魔法のように姿を変えることができるのだ。和のテイストからモダンなものまで数多くそろっていて、包み方も多種多様で奥深い。

ふろしきで包むという行為は時間はかかるが、布のやわらかい手触りと大切なものを包む(保護する)という気持ちが人々の心を和ませてくれる。

日々突っ走っているみなさん、少し立ち止まって、ふろしきでスローライフ、エコロジーを考えてみませんか。〈取材協力 宮井株式会社〉

焼酎ブームと幻の焼酎

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「焼酎バブル」といわれた一昨年、生産量で焼酎が日本酒を上回った。戦後のコメ不足の時代から半世紀ぶりのことだ。

昨今のブームは「本格焼酎」

「焼酎ブーム」はこれまで二度あった。1970年代の「お湯割り」と、1980年代の「チュウハイ」。しかし昨今のブームは、飲み方ではなく焼酎そのものの「本格焼酎」ブームだ。焼酎本来の風味などを残しつつ、臭みや癖をある程度おさえ、若者や女性などにも受け入れられるような「楽しめる焼酎」へと工夫されている。「庶民の酒」だった焼酎は、いまやどこの飲み屋でも必ず置いてある。しかし「焼酎ブーム」はこれだけでは終わらなかったのだ。

「幻の焼酎」が相次いで登場

ここ何年かの間で「プレミア焼酎」が相次いで登場。「幻の焼酎」の名を欲しいままにしているのは「スリーエム」と呼ばれる「森伊蔵(森伊蔵酒造・鹿児島)」、「村尾(村尾酒造・鹿児島)」、「魔王(白玉醸造・鹿児島)」だ。価格もさすがに「プレミア級」だ。「森伊蔵」の標準価格は税込みで2500円ほどだが現在の平均価格は約3万円前後まで跳ね上がっている。

うまくて品数が少ない焼酎にはプレミアがつく。プレミアがつくことでさらに人気が高まる。「焼酎バブル」を演出しているゆえんだ。新年早々から「幻の焼酎」を口にしている人は何人ぐらいいるのだろう。

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