2006年6月1日号(第528号)

比較規模の見直し撤回を〜2006人勧期闘争〜

6月15日第1次中央行動、危機感持って人勧期闘争を展開

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2005年は地域給与・給与制度見直しで大きな影響を出した人事院勧告。まだまだ未決着の自治体が多い中、2006年人勧期闘争が6月15日の第1次中央行動から本格的に始まる。

人事院勧告は、労働基本権制約の代償として、国家公務員の賃金労働条件を民間労働者の水準と比較し適正な均衡を確保するために行われる。例年8月に出されるその勧告が、府県・政令市の人事委員会や地方自治体・自治体に準じている団体へ影響を及ぼす。

今年の一番の課題は比較企業規模の見直し。これまで企業規模100人以上、事業所規模50人以上の平均給与と比較していたものを、100人未満・50人以上の小規模企業を追加するとしている。これは、昨年の人事院総裁の回答時に「これまでの調査は民間の常用労働者の過半数(55%)をカバーし社会的コンセンサスを得ている」という基本認識が示された内容から大きく逸脱する。

公務員連絡会は人勧制度の根幹に関わる問題であり、公務員給与水準の引き下げを意図しているとし、撤回を強く求めてきた。

今後の闘いは、拙速な官民比較方法の見直しを行わせないことを柱に、4次にわたる全国統一行動と3次の中央行動となる。さらに、要請はがきや交渉支援上京行動、地方決起集会が行われる。

一方で、総務省が地方自治体への指導を強化している。画一的な国公準拠を、給与制度面で国公基本、給与水準を地域民間給与重視に置き換え、調査対象規模の引き下げと合わせ、総人件費抑制という政治圧力を労働者に押し付けようとしている。自治労はこの人事委員会への対策も重要とし対策強化を行う。

人員削減や休息時間廃止で職場の条件がますます厳しくなる中、各組合員が人勧期闘争に集中しよう。

【VOICE】中央集会や決起集会・デモが増える時期だが、途中参加や早退する参加者が一部見られる。危機感を持って行動に参加しようではないか。

実質的な男女平等へ行動〜男女平等産別統一闘争〜

6月1-15日自治体交渉、各単組で重点項目の要求を

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府本部は5月22日、第1回男女がともに担う府本部委員会を開催。丹波栄子委員長、岡本事務局長を選任し、年間計画、6月の男女平等産別統一闘争の取り組みなどを確認した。

委員会では、府本部・単組での女性参画を進める「ポジティブアクション・プログラム案」を検討、来年度大会での成立をめざす。さらに学習会や女性リーダー養成講座、意識調査の実施を年間計画に盛り込んだ。

男女平等産別統一闘争の取り組みについては、6月1日から15日を対自治体交渉ゾーン、16日を全国統一行動日とし、各単組は少なくとも重点要求指標八項目のうち、最低一つでも選び当局要求することを提起。府本部は京都府、府市長会、府町村会への要求交渉を行う。各単組は前年を上回る成果を勝ち取るよう取り組みを強化していただきたい。

【重点要求指標(要旨)】

  1. 地域の状況を反映した男女平等条例・計画を制定すること
  2. 次世代育成支援対策推進法に基づく「都道府県・市町村行動計画」「特定(一般)事業主等行動計画」の着実な実施をはかること
  3. 職場の男女平等を推進するための労使協議の場を設定すること
  4. 実質的な職場の男女平等の実現にむけ具体的な改善策を講じていくこと
  5. 募集・採用・配置・昇進について、男女別・職種別・職階別データを明らかにすること
  6. 学歴別・経験年数別・雇用形態別・男女別平均賃金の実態を調査し、性別を理由とした差別的取り扱いを是正すること
  7. 結婚・妊娠・出産・育児・介護などを理由に不利益取り扱い、退職勧奨や解雇されることのないよう仕事と家庭の両立支援を拡充・促進すること
  8. 男性の育児休業・介護休暇取得促進のための具体策を示すこと

官・民の競争入札「市場化テスト法」

多くの公共サービスが対象に

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5月17日、府本部は自治労公共サービス規制改革対策本部の徳茂事務局長を招いて、市場化テスト法に関する学習会を開いた。法案が提案された背景や、衆参での国会論議、今後の当局交渉の論点などが説明された。

PFIや指定管理者制度、市場化テストと、公共サービスを民間に開放するいろいろな法律が制度化された。サービスの「質と価格」で「官・民」か「民・民」が競争入札し、サービス提供者を決める市場化テスト法。その対象に、現業部門・非現業部門の違いはない。もし法的規制があれば、その規制を取り除き、多くの公共サービスが対象になる。受付窓口業務や国民年金徴収業務だけではなく、今後対象が拡大される。しかし、本当に公正な競争となるのか?サービスの質とは?労働条件は維持されるのか?そして何よりも、入札に敗れたときの職員の雇用は?

自治労は連合とともに民主党などを通じて国会対策に取り組み、衆議院での若干の修正や付帯決議が加えられた。学習会では、雇用に関する首相や中馬大臣の答弁、ILOの公共サービスの民営化に関する結論文書など、今後の当局交渉などで私たちが主張すべきことや勝ち取らねばならないことなどが示され、精力的な運動の展開が訴えられた。

公共民労働者の課題解決へ〜JI-UP京都第7回交流学習会〜

単組の実情と決意自動車共済加入拡大キャンペーン実施中

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JI―UP京都(労組法適用組合協議会)は5月7日、第7回交流学習会を開催、ゴールデンウィークの最終日にもかかわらず50人近い仲間が集まった。会場は、昨年自治労に加盟した公共サービスユニオン・くに荘支部の協力で、KKRくに荘を借りた。

恒例となった京響のオープニングコンサートで幕を開け、間議長と村上府本部副委員長のあいさつに続いて、自治労公共サービス民間労組評議会事務局次長の青木衆一さんから「公契約問題と公契約条例について」(補足「指定管理者制度導入後の対応について」)、「臨時・非常勤・パート職員及びパート労働者の問題について」の2つのテーマで講演を受けた。

公契約問題については、入札による価格競争で劣悪であった労働条件をどのように改善してきたかを、自治労の取り組みや海外での実例を交えてわかりやすく説明。臨職・非常勤問題については、パート労働者の裁判事例や埼玉県本部の取り組みを中心に、今後につながる話を聴いた。

単組報告では、古代学労組が、この七月にシンポジウムを開いて財団の再建協議につなげる決意を表明、京田辺社協労組は、労働条件の改善が進まない介護労働者の実情を訴えた。後半の交流会では、単組間の情報交換を進め、最後は団結がんばろうで締めくくった。

自治労の国際協力事業を継承、発展

エファ・ジャパン会員募集中

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2004年10月に設立されたエファ・ジャパンは、05年2月にNPO法人に正式に認可され、設立一周年を迎えました。

エファ・ジャパンは、自治労のベトナム、ラオス、カンボジア三カ国での国際協力事業を受け継ぎ、その発展をめざし精力的に活動を展開していますが、会員数は、個人会員191人、団体会員10に止まっています。エファ・ジャパンが将来的に自立発展し、継続的に活動を展開していくためにも、自治労組織、組合員やその家族、退職者、地域住民への会員拡大が重要となります。

自治労の国際貢献活動の発展に向け、ぜひとも単組で団体会員に、組合員で個人会員に登録していただきますようご協力をお願いします。

(自治労国際局長・井ノ口登)

  • 正会員(年)12000円、シニア会員(年)6000円
  • 賛助会員個人(1口)10000円、団体(1口)50000円

教育が危ない!〜教育基本法改正〜

変えることより活かすこと

教育基本法は59年前、憲法とともに制定され、一人ひとりの子どもを大切にし、個性豊かな文化と平和を教育の力で創り出そうとするものだ。すべての子どもの権利を尊重することはもとより、ともに生きる教育が教育基本法の理念だ。

今、国会で教育基本法が審議されている。改正案では「個人の価値を尊重する」「自発的精神を養う」などの言葉が削られ、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできたわが国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が明記された。これが成立すれば、学校では教育内容に「愛国心」を入れているかどうか点検・指導が始まるだろう。さらに子どもたちは「愛国心」を評価され、国家に従順であることを求められる。教育に国家への忠誠を持ち込み、憲法で保障された思想・良心の自由を侵害することになる。

世論調査では、国民は早急な法改正を望んでいないことから、連合・日教組は、教育基本法の改正は早急に結論を出すのではなく、幅広い国民各層が時間をかけて議論することを求めている。

各単組で署名活動などの取り組み協力をよろしくお願いしたい。

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