2004年の確定闘争が山場を迎える。自治労は11月12日(金)を闘争の山場とし上限2時間のストライキを戦術としている。
府本部は中央本部の基準日と戦術を基本に各単組の闘争を強化する。11日を皮切りにブロック別の決起集会・学習会を開き、重点単組にはオルグを実施。単組との連携をとりながら要求の実現をめざす。
2004人事院勧告では、6年連続の年収マイナスと3年連続のマイナス改定を阻止したものの、月例給・一時金ともに据え置きとなった。賃金部分の改定がないという安心感などから、確定要求に対して意識が散漫になることが懸念される。各単組では闘いに向けた組合員の意識の集中が重要となる。
人事院勧告は基本的に国の制度が導入された上での官民格差であり、具体的には特別昇給制度や新昇格制度、一時金職務段階別加算など、地方自治体はその制度を充分に活用していない。この現状を認識し、給与改定だけに焦点を合わすことなく、要求・交渉に臨む必要がある。また、地方財政を理由として人件費が抑制されることも考えられる。
自治体労働者の生活を維持・改善するための賃金水準を確保することを重点課題とし、さらに、次世代育成支援対策推進法であるように、休暇制度の充実や男女平等社会の実現に向けて確定闘争を推進しなければならない。
府本部現業評議会は10月28日、府知事に対して初めての要求書を提出、地方課に申し入れた。
清掃、学校給食・用務、道路の維持管理、保育・病院給食などで働く自治体現業労働者を取り巻く状況は、規制緩和や三位一体改革、市町村合併、地方財政危機などを背景に、欠員不補充や民間委託が急激に進められている。これを受けて要求には、民間委託促進につながる措置を取らないこと、市町村合併にともなう現業職場の切捨てを厳重に慎み、すべての職員が新市に引き継がれるようにすることなど、現業労働者の権利向上と職場改善を盛り込んだ。
杉原議長ら現評四役は、市民に最も近いところで頑張っている組合員の立場から要求の理解を求め、災害支援で一番に動いているのは現業職員であることを強調した。
連合京都は台風23号で大きな被害を受けた京都府北部地域の災害復旧に対してボランティアを派遣。自治労からも積極的に参加した。10月27日から30日の4日間、近畿各地から集まった700人の組合員が床下にたい積した泥のかき出しなどに汗を流した。
10月21日、島根県本部で約5億3千万円が外部流出したことが明らかとなった。島根県本部は厳重な捜査を求め松江地方検察庁に報告するとともに、早期に捜査に着手することを要請した。共済掛金の納入遅延に絡む流出で、執行体制の不備、公表外口座・借入金があり組織的な責任は免れない。
自治労が再生プログラムを履行し、会計処理の明確化や予算執行の厳格化で公正・透明な財政処理をめざしている中での事件で誠に残念である。中央本部および共済本部はさらなる厳正な対処と組織体制の整備・強化が求められている。
地方自治の確立を基礎に、市民参画のもと、ゆたかな地域社会を創ろう、として始まった自治労の地方自治研究全国集会。第30回は「協働ネットワークと新しい公共の可能性―創ろう、市民自治のゆたかな社会―」をスローガンに、10月20日から3日間、群馬県で開かれた。
特別講演は、ポール・コクラン・ニュージーランド公務労組全国書記長による「公共サービス改革とニュージーランドの経験」というテーマで、「過去20年以上の間、民は公(官)より優れているとして、公の縮小、民間委託、民営化が進められ、公共サービスの領域と質が低下した。そこで2002年に見直しが行われ、今は公共サービス利用者の満足と質の高い労働条件の実現に向け、管理側と職員・組合が協同で取り組んでいる」と報告があった。
元滋賀県知事の武村正義氏をコーディネーターとする「公共サービス・その混沌から何を生みだすか」をテーマとしたパネルディスカッションの後、15分科会に分かれ内容を深めた。京都からは5本のレポートを提出。その中で、府本部で実施した「電話労働相談」や、自治労京都市職から環境政策について報告した。
今回の集会では多くの試みが報告され、それらをまとめた報告集(CD版)が発行されている。