製造業など大企業の上昇集計が報告される中、地域における民間中小労組がヤマ場を迎えている。景気の動向は緩やかな拡張との評価がある一方で、正社員の賃金と非正規雇用の労働者との格差が浮き彫りになっている。特に、40歳以上の比較では正規100に対して非正規55という格差をもたらし、自民党政府の労働政策は格差社会を生み出すばかりであることを象徴している。
一方、公務労働者を巡る状況は厳しさを増すばかりとなっている。今春闘最大の課題となった「官民比較のあり方」については、3月23日の人事院総裁回答においても「100人未満50人以上の小規模も調査対象に加える」とされた。公務員連絡会・自治労は「昨年6月の見解を一方的に反故にするものであり、信頼関係を大きく損ねる。歴史的・制度的に確立された現行制度の見直しは労働基本権制約の代償機能としての人事院制度の根幹を揺るがす問題である。政府の総人件費削減政策の一環として公務員給与水準の引き下げを狙った政治の圧力に屈し、中立・第三者機関としての責任を放棄した」との声明を発表した。
自治労は3月14日、20日の中央行動をはじめ、抗議打電、要請はがき、人事委員会要請や第三次に及ぶ全国統一闘争を展開してきた。総務省、人事院ともに組合側の意見を十分に聞く中で検討をするとしているが、政治圧力は変わらない。また、府本部は3月15日に府地方課へ春闘要求書を提出。規制改革や人件費削減で住民の安心・安全が脅かされることのないよう申し入れ、交渉を設定した。
非常に厳しい状況だが、今年度の人事院勧告期に向けて不退転の決意で公務員連絡会に結集し闘いを進めよう。
組合員の解雇撤回闘争に取り組んでいる古代学労組を支援するために、府本部は3月10日にぱるるプラザ京都で「支援集会」を開いた。
古代学労組は賃金の一方的引き下げに対し組合を結成し、昨年7月に自治労加盟した。その後9月に入り「希望退職の募集」という実質上の解雇が打ち出され、今年2月の理事会では反対意見があったにもかかわらず職員解雇が決議された。
この闘争のポイントは、(財)古代学協会の財政が3月末で破綻する状況にないことと、解雇した者を臨時職員で再雇用して事業を継続しようとしていることである。組合側は、経営改善・財政再建の道があり、それを検討するためにも3月末解雇を撤回するよう申し入れてきた。全国の仲間から抗議FAX・打電行動の支援を受け交渉を積み重ねてきている。
集会では自治労京都市職と埋文研労組から力強い激励を受け、単組も大いに勇気付けられた。府本部は結集するすべての単組とともに不当解雇を許さない闘いを構築する。
春らんまんの4月。多くの職場で期待と不安を胸に新入職員が入ってきます。各単組では、仲間を迎え入れるため、さまざまな取り組みが企画されていることでしょう。自治労は労働組合の基礎知識や自治労共済制度をわかりやすく解説した新入組合員向けパンフレットやDVDなどを発行していますので、ぜひ活用してください。
【WITH YOU】
自治労は自治体と地域公共サービスに関連する企業で働く仲間が集まる日本最大の労働組合。地域の公共サービスを支える約千種にもまたがる101万人のネットワークは、働くものの生活と権利を守るセーフティネット。一人ひとりは小さな力でも、より多くの仲間が労働組合に集まれば、使用者も無視できない大きな力を生み出します。ひとりで悩まず組合に相談してください。自治労は大きなパワーであなたの雇用と生活、幸せを応援します。
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共済は簡単に言えば保険にあたるもの。非営利で共済事業を営む生活共同組合として、組合員とその家族のくらしを支えあっています。「総合共済基本型」を基盤に「団体生命共済」「自動車共済」など、小さな掛金で大きな保障が実現できます。
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府本部社会福祉評議会は、子育て支援、高齢者介護サービス、障害者施策の充実など36項目にわたる「2006年度少子・高齢社会にむけた保健・福祉に関する要求書」を2月13日に京都府知事あてに提出、3月1日に山内保健福祉企画室長と交渉した。
要求内容として、公立保育所の積極的活用による子育て保育の充実、学童保育所の施設・設備拡充と指導員の労働条件改善、介護保険制度改正に伴う自己負担の抑制と地域包括支援センターの自治体直営運営、障害者自立支援法施行に伴う自立生活支援の充実と自己負担抑制を重点に要請した。
山内室長は、公立保育所運営費が交付税化されても従前と同額が措置されており、住民ニーズに合った保育は市町村が主体的に担うべき。学童保育も交付税で措置されているが、運営費の補助金アップを国に働きかける。介護保険は制度改正前の負担水準となるように、また、障害者支援では多くの人の負担金が軽減されるような予算を組んでいる、との回答を受けた。とりわけ、学童保育を含む子育て支援について「厳しい府財政だが、市町村支援のための補助金を含めた支援施策についての議論は必要」との問題意識を明らかにさせることができた。