2008年9月1日号(第582号)

地公3単産統合へ熱い議論を展開

生活基盤強化こそ責務 自治労第80回定期大会、千葉で成功

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自治労第80回定期大会が8月28日から29日の二日間、千葉市で開かれ、全国から代議員・傍聴者など4,500人が参加した。中間年大会として、昨年決定した2年間の運動方針の中間総括にもとづき今後1年間の行動計画を決定。さらに、地公3単産統合にむけて綱領など根幹に関わる議論を本格的に開始させる大会となった。

冒頭、岡部謙治中央執行委員長は「市場原理主義と構造改革路線が、雇用・労働・社会保障・環境など、人々の生活基盤そのものを脅かしている。その変革は労働組合の社会的責務であり火急を要する」とした。さらに「人勧制度への政治の介入が強まっている。公務員賃金への攻勢はますます激しさを増す。今確定闘争には厳しい姿勢で臨もう。そのために、交渉力と組織力の強化を力いっぱい取り組もう」と訴えた。

また、地公3単産の組織統合を何としても実現しなければならない課題であるとし、「公共サービス労働組合には局所的対応ではなく、総結集と再編強化が必要だ。新しい組織名称のもと、統合のために綱領や規約、財政などの課題を議論しよう」と力強く提起した。

続いて、第1号議案「2009年度年間行動計画」、第2号議案「当面の闘争方針」(9月〜1月)、第3号議案「地公3単産の組織統合と名称問題への対応について」、第4号議案「全労済からの統合参加に向けた協議の申し入れへの対応について」他が提案され、活発な会場討論が展開された。

討論の柱となったのは、構造改革路線のもとで荒廃が進む公共サービスの現場から、住民の生命と財産を守る使命を全うするための取り組み強化を求める意見だ。特に、自治体立病院の民営化・譲渡、救急小児科医療の切り捨てなどの地域医療の崩壊、社会保障の危機を訴える発言があいついだ。

さらに、地公3単産の組織統合について熱心な討論が交わされた。名称問題は、組織競合を闘い抜いてきた歴史的・運動的意義を認めながらも新たな名称で新たな公共サービス労働運動の展開に期待するという意見が多く出され、府本部は同じ立場で臨んだ。一方「自治労の名称変更は不要、情報開示や丁寧な組織的合意を求める」内容の修正案が5県本部から提出された。

大会2日めには、引き続き会場討論が行なわれ、議案の採決へ。修正案は否決され、全ての議案が執行部原案どおり可決、承認された。

また、新規加盟組合の承認では、54単組代表者が登壇。府本部からは京都予防医学センターパートアルバイト・嘱託職員組合(やまびこユニオン)の大山幸博委員長が会場の歓迎の拍手を受けた。

具体の日程・内容決まる

府本部現業公企統一闘争

府本部現業・公企統一闘争本部は8月21日に闘争委員会を開き、2008統一闘争の具体の闘争日程や内容を決定した。まず対府要求書提出は9月29日から10月3日の間に設定。府本部総決起集会は10月23日を第1予定日とする。なお、全国統一基準日は10月29日。 さらに、昨年までの取り組みに加え、公共サービスを担う現業・公企労働者の仕事の必要性などを市民に直接訴える「地域アピール行動」(ビラ配布)を、京都市内と府南部地域で実施する。

体系的に手法を学ぶ]

府本部女性リーダーセミナー

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府本部(男女がともに担う府本部委員会)は8月22日、組合活動を担う女性活動家の育成を目的とした「女性リーダーセミナー」をウィングス京都で開き、8単組から12人が参加した。

実習のテーマは「これで話し合いがうまくいく〜明日から使えるファシリテーション」。ライフキャリアデザイン・アソシエイツの森野和子さんが講師。会議・集団などのメンバーからの意見の引き出し方、円滑な運営方法などを体系的に示した「ファシリテーション」(促進、支援、円滑化などが元来の意味)をワークショップ形式で学んだ。例えば会議でよい答えを引き出すための効果的な質問方法などが示され、受講者はグループごとに実地の手法を体験していた。

府本部推薦の坂本信夫さん当選

久御山町長選挙

8月24日投開票の久御山町長選挙において、府本部が推薦した坂本信夫氏が当選し、3期めとなる町政へスタートを切った。2期8年の実績をはじめ都市基盤のさらなる整備などを訴えた坂本氏が、対立の共産党推薦候補に大差をつけ当選した。なお選挙結果は次のとおり。

当 坂本信夫 4,893
  武田万徳 1,780 (投票率 50.63%)

企業つ稼働に学ぶ環境対策

青年部施設見学会

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府本部青年部は7月26日、企業における環境保全への取り組みを学習するため、サントリー京都ビール工場の見学会を開催した。8単組・31人が参加した。

1969年にビール生産を担う工場として操業を開始した同工場は、2000年に最新設備を導入し、省資源・省エネルギーなど環境への取り組みにも力を入れている。参加者は、専任スタッフの説明を受けながらその施設を見学した。

同工場による環境への取り組みとして、廃熱利用によるCO2排出量の削減や、空調冷却及び植木散水への雨水利用等が実施されているが、特に印象に残ったのはゴミゼロを達成していることだ。工場から出る副産物・廃棄物は36種類に分別され、全て様々な用途に再現されている。例えばビールから出る糖化粕は家畜の飼料に、排水をきれいにする工程でできる汚泥は有機肥料としてリサイクルされている。

また、参加者向けに配布されるパンフレット類には、適切に管理された森林から作られた紙であることを証明する「FSC認証」や、有害物質の廃液量や使用量が圧倒的に少ない印刷方式である「水なし印刷」のロゴが印刷されており、環境対策へのこだわりを感じた。専任スタッフには、工場見学中は終始丁寧な説明を、また、その後の試飲コーナーでは美味しいビールの注ぎ方の講義まで行なわれ、有意義な時間を過ごした。

労働条件安定イコール保育の質の向上

全国保育集会に参加して

宇治学保労組発

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8月1日から3日まで、山形県上山市で開かれた、自治労第29回全国保育集会に参加した。

全体集会では主催者あいさつの後、「社会福祉制度改革・規制改革の動向と自治労保育運動の課題」「保育をめぐる状況と課題」「児童館・学童保育の現状と取り組みの基本方向」の基調提起があった。記念講演の道化師・大棟耕介氏の「笑いの力」の言葉どおり、保育者の笑顔は子ども達に伝播する。親の就労・生活を支援する保育現場で働く私達もまた労働者である。労働条件が確保され保育現場に安定した職員配置が出来ることは、保育の質の向上にもつながることを学んだ。

2日目、3日目には「保育所における人材の確保と定着」「働く親の子育て支援」など保育制度の機能強化を考える分科会や「子どもの心を育てる」「苦情解決」などすぐに現場で生かせる分科会など24の分科会が行われ、それぞれ現状を報告したり他の状況を聞かせてもらったりして保育集会は幕を閉じた。分科会のみならず旅館のロビーや部屋で、食事の広間で、移動のバスの中で、帰りの新幹線で、様々な地域の方と交流し情報を共有でき有意義な3日間を過ごした。

50周年事業、延べ1,000人参加で終了

八幡市職労

八幡市職労発

昨年9月から取り組んできた「組合結成50周年記念事業」を、8月に行なった八幡市社会福祉協議会への50万円の寄付をもって終了した。

八幡市職労(以下・市職労)を結成したのは1956年(当時は八幡町職労)。市職労では、50周年記念事業を実施するにあたり、「一部の役員・組合員のみが出席する、ホテルなどの宴会場での記念式典は行わず、多くの組合員や家族、また市民が参加できる事業を多数行なう」ことを確認し、取り組みを進めてきた。

環境問題をテーマにした、作家・椎名誠氏の講演会や、フリーライター・山本健治氏の時局学習会、よしもと観劇や地引網ツアーを開催。さらに、平和憲法誕生の真実を描いた映画の上映会、各種行事に参加しやすくするために総額250万円の賞品があたるポイント制度の実施など、13項目の事業を展開してきた。参加者は延べ1,000人を超え事業を終了した。

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