2011年10月15・11月1日合併号(第649号)

活発な議論で方針確立

新体制で8000人府本部めざす 府本部第75回定期大会を開催

photo

府本部は10月8日、第75回定期大会を京都市中京区のウイングス京都で開いた。2012年度運動方針と、当面の闘争方針などを決定した。また、役員選挙が行われ2012―13年度の府本部執行体制が確立された。出席代議員は27単組から99人、女性参画率は23・23%となった。

大会は午後1時に開会。冒頭、福知山市職労の大西代議員と八幡市職労の増永代議員を議長に選出した。橋元執行委員長の主催者あいさつに続き、川本中央本部書記次長、細田連合京都会長、門川京都市長など6人の来賓から連帯あいさつを受けた。3月11日に発生した東日本大震災以降自治労が取り組んできた支援行動に対する感謝や、地域公共サービスの取り組みに対し期待や激励があいついだ。

大会成立宣言の後議事に移り、一般経過報告、会計決算報告、会計監査報告の諸報告・承認に続き、議案討議に入った。

議案は第1号「2012年度運動方針案」、第2号「一般会計・特別会計予算案」、第3号「当面の闘争方針案」、第4号「府本部臨時執行委員および特別執行委員・顧問選出等について案」、第5号「府本部救援委員の選出について案」、第6号「公認会計士の承認について案」が提案され質疑応答を経て、全議案が原案どおり可決された。

会場討論では、賃金闘争や政治闘争、組織強化、平和行動などに関する質問や意見などが発言された(2・3面に会場発言と本部答弁要旨を掲載)。

photo

決定された2012年度運動方針は、運動の基調を、

  1. 震災とボランティアから共有する精神
  2. 権力者とのたたかい
  3. 組織拡大への課題、8000人府本部をめざして
  4. 単組の強化と体制整備・人材育成
  5. エネルギー政策の見直し

の5点に定めた内容。自律的労使関係の確立や、総合的な賃金改善闘争の確立に向けた、新しい公務員制度の実現と生活改善の取り組みなどからなるたたかいの指標や、「公正労働とワークルールの確立」、「労働時間短縮、人員確保、安全衛生体制の確立」、「組織の強化と組織拡大の推進」、「男女平等社会の構築」、さらには「自治体財政の確立と公共サービスの改革」、「安心と信頼の社会保障制度」や「持続型社会の実現と環境政策」、「政治政策闘争」、「平和・人権闘争」などの取り組みを提起した。

最後に「脱原発とエネルギー政策の転換を求める特別闘争宣言」と「大会宣言」を採択し、谷口新副委員長の団結ガンバローで大会を締めくくった。

組合員の結集で組織強化と運動の前進を

橋元信一執行委員長あいさつ

photo

定期大会参加の組合員の日頃の活動に敬意を表するとともに、ご臨席いただいた来賓の皆様にお礼申し上げる。

3月に発生した東日本大震災では、4月から7月まで50人のボランティアにご協力をいただいた。まだまだ復興には時間もかかり物心とも応援が必要だ。参加代議員のみなさんの更なるご協力をお願いしたい。

9月30日に人事院は、国家公務員給与について月例給引き下げ、また現給保障を廃止とする乱暴な勧告をしてきた。地方公務員に影響させないよう交渉を重ねながら、闘っていかねばならないし、各単組においてもしっかり交渉を積み重ねていただきたい。この人勧の速報配布体制について報告。勧告日の9月30日から京都で女子バレーボール全国大会が開催され、準備で忙しい中、役員が朝6時から東京で配布されるビラを受け取り、お昼の解禁時刻に間に合うよう組織競合のある各単組に届けた。競合する組織には一歩も負けないという決意だということを伝えたい。

公務員制度改革の問題では、臨時国会で法案が議論される予定となっている。この確定闘争では、自律的労使関係を見据え、各単組、各支部での意見を集約し、しっかりと要求書を上げ、交渉して、その回答を書面でもらう、締結をすることが、組織の強化、拡大にもつながるのでお願いしたい。

さきほど触れたが、自治労の女子バレーボール全国大会では、600名を越す方々が京都に結集をいただき大会を開催したが、自治労京都府本部としても初めての取り組みの中で、2名の方がケガをされたが、成功裏に終えることができた。本部の会議でも全国の仲間にお礼を言われ、京都府本部の歴史の一ページに残すことができた。各単組、組合員のご協力に感謝する。

最後に来年2月には京都市長選と八幡市長選が行われる。私たちの思いが京都市や八幡市の市政に伝わるよう、府本部は関係単組と協議しながら、前向きに取り組んでいく。

皆さんも各単組でしっかり組織を結集していただき、京都府本部とともに自治労運動の推進にご協力をお願いしたい。

公共サービスに働く労働者の生活は自治労が守る

確定闘争や京都市長選挙など当面の方針を決定

photo

府本部は10月8日に開いた第75回定期大会で、2012年度運動方針と当面の闘争方針を決定した。当面の方針では、賃金確定闘争、公務員制度改革と制度政策闘争、現業・公企統一闘争、組織の強化・拡大など、重要なたたかいの具体的な取り組みの内容が示されている。以下、当面の闘争方針の要約を掲載する。

1 自治体確定闘争の推進

2011確定闘争の推進にあたり、「自治体労働者の生活を守るための賃金水準を確保すること」を基礎とし、1. 月例給の水準の維持をはかること 2. 50歳台など年齢層に限定した給与削減措置を行わないこと 3. 必要な一時金の支給月数を確保すること 4. 臨時・非常勤等職員の賃金改善を取り組みの柱とする。

具体的には、1. 賃金水準の確保について、基本給は自治労の新たな到達目標(35歳・298,390円など)にむけて到達闘争の活性化をはかる。2. 昇給区分の運用については従来の特別昇給運用による賃金水準を確保するよう十分な労使交渉・協議により決定することを求める。

育児・介護休業法の一部改正に伴い民間・国と同様に各自治体が所要の措置を講ずるよう求める。

現業・公企職員給与の見直しについては、1. 労働協約主義(交渉優先)に基づくこと 2. 公民給与の比較を行う場合は、職務内容についての十分な分析、勤続年数・年齢など給与決定要素の条件をそろえ、同種・同等比較を行うこと。などの課題を重視し、交渉・協議を強める。

臨時・非常勤等職員の賃金について、労働基準法をはじめ法令遵守など最低条件の底上げを重視するとともに同一価値労働・同一賃金の観点から、常勤職員との時間比例による均等待遇を求める。

公共民間労働者の賃金・労働条件の改善に向け、自治体最低賃金の確立をはかるなど自治体単組と連携して取り組みを行う。

府本部は京都府人事委員会勧告後、府知事あての要求書を提出、対自治振興課交渉を実施し、具体的には府内のブロック別確定闘争推進会議を開催し、自治体賃金確定闘争のヤマ場を11月10日からを基準とし府本部統一闘争として推進する。またモデル要求案の作成や委員長連名での提出も可能とし単組の確定闘争を支える。自治体単組は、勧告内容とその問題点を学習し、労使交渉を基本とする賃金・労働条件決定システムに変わることを念頭に、要求‐交渉‐妥結‐協定・協約化の運動サイクルを確立する。

2 公務員制度改革と制度政策闘争の取り組み

政府は、国家公務員制度改革関連四法案を国会へ提出したが未だ情勢は不透明だ。消防職員の団結権付与も含めた自治体での労使関係や賃金・労働条件決定のルールつくりにむけて、関係法案の早期成立にむけた運動を展開する。具体的には本部作成のパンフなどを活用し単組の運動、交渉力向上をはかる。また、災害時に対応できる体制づくりなど人員確保闘争を再構築する。

3 2011現業・公企統一闘争の推進

基本的な目標を「職の確立と市民との連携による、自治体の責任に基づいた質の高い公共サービスの確立」とし、取り組みの指標は 1. 公共サービスの拡充と質の向上にむけた人員と予算を確保し、現業・公企職場の直営堅持 2. 「職の確立」をはかり、サービスの質と仕事の価値を高める 3. 地域公共サービス職場で働く労働者の組織化を推進し、労働諸条件について全体の底上げをはかる 4. 市民との協力関係の構築。5. 現業公企労働者の協約締結権を活用し、要求書提出・交渉実施・協約締結の基本的取り組みを全単組で確立する。以上5点とする。

府本部の取り組みとしては、10月28日(金)の全国統一闘争基準日に向け、要求書を提出し、自治振興課との交渉を行う。総決起集会を10月26日(水)に京都テルサで開催し、意思統一を行う。単組の取り組みとしては、重点課題について要求書を作成して提出、交渉し、合意事項については労働協約の締結を行う。

4 自治体財政の確立の取り組み

自治体財政確立をめざし、地方団体、地元選出国会議員に対し要請行動に取り組む。単組は、2010年度自治体決算状況などを把握し2012年度自治体予算編成のための政策要求書を参考に要求書を提出し、自治体予算に関わる交渉、労使協議を行う。

5 公共サービス基本条例と公契約条例制定の取り組み

府本部・単組は、各自治体の2012年度予算編成に向け、公正労働基準の確保など含めた総合評価方式による入札改革の導入を求める。また、協力議員等と連携し地域での世論づくりを進め、自治体に対して、条例の制定を求めていく。

6 組織強化・拡大の取り組み

産別建設センターの体制整備と強化を進め、8000人府本部をめざす。単組の組織強化として、2013年に労働基本権が回復することを見据え自律的労使関係を構築する準備に取り組む。また新規採用職員の100%加入をめざした準備を単組とともに行う。府本部の組織強化拡大として2010年度に策定した「組織拡大基本計画」にもとづき取り組む。単組闘争の支援として、京都競輪労組および京都衛生開発労組の闘争支援に取り組む。

7 安心と信頼の社会保障制度改革

社会保障制度の抜本改革に向けた取り組みでは、諸課題について現状把握と意思統一をはかるため、府本部社会保障検討委員会を開催し、各単組担当者の意見交換の場を設ける。

8 政治政策闘争の推進

政治・経済・社会のシステム、公共の役割を再構築し、勤労者の生活と社会的公正を重視したものに転換するために、当面、民主党を中心とする政権の下での自治労がめざす政策の実現に全力で取り組む。特に2012年度当初に行われる、京都市長選挙と八幡市長選挙について最重要課題として取り組む。

9 環境・平和・人権の取り組み

地球温暖化防止のため連合が提案する「エコライフ21」を推進しライフスタイルの見直しに取り組む。

脱原発について、「さようなら原発1000万人アクション」の取り組みとして府本部は東京での5万人集会や署名行動を通じ、政府のこれまでの原子力発電の推進政策の大幅な見直しとエネルギー政策の大きな転換を求める。1000万人署名の府本部の割り当て目標である18300筆の達成実現へ組合員・家族はもとより臨時・非常勤等職員や管理職、連携する議員等にも呼び掛け積極的に取り組む。高速増殖炉もんじゅについては、廃炉を求める要望書を府知事あてに提出する。

平和・護憲・人権確立の取り組みについて、連合や部落解放地方共闘、平和フォーラムなどと連携し、取り組みを進める。

衛生開発労組の地労委闘争支援など熱い議論

【発言要旨】

▼京都府職・井上代議員

  1. 今後、ストライキ権を回復していくための考え方は
  2. 臨時・非常勤職員の賃金改善について、常勤職員給与等の配分確保等賃金シェアとあるがその内容は
  3. 社会保障と税の一体改革について、自治労は消費税増税反対ではなかったか
  4. 平和・人権闘争について。憲法を守る護憲の闘いを進める方針は
  5. 政治政策闘争。民主党機軸にして社民党も支援する中央本部の方針と基本的に同じか

▼城南衛管労組・川戸代議員

  1. 未加盟単組等、8000人府本部に向けた組織拡大の取り組み方針は
  2. 安全衛生委員会について。各単組の設置状況や先進的な取り組みを教えてほしい
  3. 脱原発に関して、フェニックスの埋立て完了跡地に代替エネルギー施設を置くことを提言して
  4. 関係議員と積極的に意見交換を行い自治労運動について理解深めるような施策を
  5. 府本部として機関紙コンクールを行い、各単組が機関紙を作ってみようという雰囲気づくりを
  6. メディアの活用について
  7. 首長選について、候補者を擁立し、必勝を期すため府本部の協力を
  8. 全国バレーボール大会での指示命令について。今後の反省材料に
  9. 予算案の人員調整について、均等性、公平性に基づいて改善が図られたものかご説明を

▼衛生開発労組・福山代議員

闘争支援のお願い。昨年3月の組合結成以来、不当労働行為、不当解雇など様々なこと起きた。闘争開始宣言集会や、清掃集会でも、頑張れと言っていただき心の支えになっている。支えてくださる方々がいるので、闘争勝利を信じて頑張る、皆さんのお力を貸してほしい。

▼国保労組・森岡代議員

国保連労働者の闘いについて、府内市町村で運営する国保一元化に向けた協議会成立された経過の説明と、国保労組としては雇用を守る闘いをすすめるので京都府本部からご支援を。

▼八幡市職労・日下代議員

  1. 賃金闘争について報告。嘱託協で八幡市の地域手当相当分を嘱託職員への上載せを合意した
  2. 国公十%削減が地公には及ばないとなれば、来年のラス指数は日本中の自治体で国を上回る。中央本部を巻き込みペナルティに具体的にどのような方法で対抗するか教えてほしい

▼全国一般セレマ労組・川元代議員

衛生開発労組を支援する。全国一般では社長宅や会社への抗議行動、ビラ配り、外宣行動などで悪徳経営者に社会的制裁をしている。今後の闘争予定は。

【執行部答弁】

■谷口書記長

  • スト権回復の件、協約締結権をまず勝ち取ってから考えるという本部方針に基づいて取り組む
  • 賃金シェアについて、臨職・非常勤の処遇改善に向け、人件費全体の中で考え、財源を確保しようという理解だ
  • 消費税の問題は、社会保障と税の一体改革として、制度的に進める必要性あり。自治労の中でも今は議論になっていない
  • 護憲大会は憲法を守る位置づけで開催されることは間違いない
  • 政治方針について、民主党、社民党を支援し、状況に合わせて方針化をしている
  • 未加盟組織の組織拡大について、公務員制度改革等で問題意識を高めて、情報の共有や、上部団体の必要性を問いながら組合費などの課題を克服していきたい
  • 労安の関係、各単組の安全衛生委員会の有無についてまだ集約していない。労働安全衛生の取組みに、府本部としても力を入れていきたい
  • 代替エネルギーについてご意見として伺う。近畿地連の広域廃棄物対策委員会で話できればと思う
  • 議員との意見交換、今年度新しくNPO法人になった京都自治総研でも議員交流会を進めていく
  • 府本部機関紙コンクール、予算の都合もあるが検討したい。各単組の機関紙発行には、積極的に協力する
  • メディアの活用として、協力できるメディアと協力しながら組合運動を広げていきたい
  • 各首長選挙では関係労組とも十分に協力しながら候補者の選定ができれば、府本部としても全力を尽くす
  • バレー大会では多くの方に協力いただいた。反省点など含め総括をする
  • 国保労組からの一元化の問題について、国保から四役の一人になるのでこの運動がより進められると思う。各単組の協力も含めて府本部としても十分取り組む
  • 八幡からのラスの問題。自治労全体、公務員連絡会全体で取り扱っていく必要がある。労働条件担当者会議、春闘の集会等々で本部に対応をお願いする。もともとの賃金ベースとして比較すべき
  • 京都衛生開発労組は府本部全体で支援していく。また行動内容については単組と協力をしながら検討している。その時には皆さんのご協力をお願いしたい

■高橋副委員長

財政部分での補足。組合費について大会直前まで協議した単組もあるが、一定の前進を踏まえ今回の予算として提案した。ただし、現在、委員長不在で運営困難な単組がある。府本部としても経営改善、運営の改善に向けて当該単組とは協議を進める。

  • 機関紙コンクールについて予算計上してないが今回の予算案の中でやりくりをして検討する

■橋元委員長

  • 議員との関係について。政権交代後は京都の国会議員などには、地方が人員削減など努力していることは理解されている。新聞も国公は攻撃しても、地公はあまり攻撃していない。もう一つ踏み込んで「国公を攻撃すると最終的には地方にくるということを国会の中でも議論してほしい」と伝えている
  • 年末年始の特勤手当について。労働組合としてはまず時短を進めている。新聞記者には「普通は家で過ごす年末年始の仕事に対し手当があってもいいのでは」という話はしている

セット共済一斉募集スタート〜この機会に保障の見直しを

健康確認日は12月2日(金)

photo

2012年4月発効の団体生命を中心とする『じちろうのセット共済』の継続・新規加入募集が始まった。自治労の団体生命共済は、組合員の助け合いにより、家計に優しい掛金で、万一の場合の大型保障とキメ細やかな医療保障を実現している。保障に関する情報は多々あるが、自治労共済に加入するだけですべての保障は万全だ。生活の厳しさが増す中、みなさんの家庭環境・ライフプランにあわせて是非この機会に保障の見直しをしてみては。詳しくはパンフレットをご覧ください。

募集期間・申込締切など詳細は所属の組合でご確認を。

自主福祉活動推進会議を開催

この一斉募集に先駆け、府本部と共済府支部は、10月14日から1泊2日の日程でアカデミー労組の協力の下、京都市左京区の関西セミナーハウスで、「自主福祉活動推進会議」を開催。12単組から23人の共済担当者らが参加した。会議ではセット共済や長期共済などの制度説明や事務手続き、府本部・府支部・単組が連携してさらに積極的な共済活動を推進していくことなどを確認した。

photo photo

自治労の組合員は、労働組合の活動によって安心して働ける労働環境を実現しているのと併せて、組合員とその家族の方々が事故や病気、災難や災害などで被害を受けたときにも助け合える「自治労共済」という制度を持っている。この自治労共済には組合員90万人が加入しており、その内、団体生命には組合員の2人に1人、自動車共済には3人に1人が加入している。組合員とその家族全員の保障とまさかの備えを万全にするために「小さな負担で大きな保障」を実現する「自治労共済」はまさにすぐれものだ。

共済府支部は今後、共済本部と併せさらに充実した宣伝活動、保障個別相談等の取り組みを単組と一体になって取り組んでいく。

『自治労きょうと』一覧に戻る