2012年5月15日号(第659号)

府は労働条件の実態把握を

自治振興課交渉

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府本部は五月八日、京都府自治振興課と「二〇一二年春季生活闘争にかかる要求書」について回答交渉を行った。賃金・労働条件改善や臨時・非常勤等職員の処遇改善など求めたが、国の動きを見ながら、法に基づいて各自治体に助言を行うという回答にとどまった。

府庁旧館の総務部会議室で行われた交渉には、府本部から橋元委員長ほか十名が参加。自治振興課は山口課長以下四名の出席となった。

冒頭、橋元委員長は「国家公務員の七・八%の賃金削減について、自治労は総務省と地方自治体には波及させないことを確認してきた。京都府には毅然とした対応で自治体職員の生活を守ってほしい」とあいさつ。

山口課長ははじめに大飯原発再稼動と電力需給に関する京都府のスタンスを述べたあと、府本部の要求内容に順次回答した。「賃金要求については、財政の厳しい状況は続いている。制度や給与水準は人事院勧告を待って助言を行う。また国公の給与改定・臨時特例法が施行され、地方にも同様の対応を求める総務省通知があったが、全国知事会と政府との意見交換で山田知事は、地方は国に先んじて人件費抑制に努めてきた。単純に国公に連動させることはできないと発言している。京都府としても同様の対応だ」と回答した。

府本部は、人勧どおりの減額調整を行わない自治体に交付税減額のペナルティがあるのは理不尽であることを追及した。

また、四月五日付新聞報道での府内自治体のラスパイレスの記述については、府の関与はないことを確認し、恣意的な賃金引き下げ報道をマスコミに注意するように求めた。

臨時・非常勤等職員の処遇改善に努力を

臨持・非常勤職員の処遇改善について趣旨は理解するとしながら「職種・条件が多岐に亘っているので一律的に改正できない。法律や条例の定めによる任用となるよう助言したい」と提出交渉時の「格差是正を念頭において助言を行う」との答弁から後退、「社会全体として非正規労働者に対する取り組みがされる中、府の回答は法的に基づくことに終始している。府として積極的な調査・実態把握に努めていただきたい」と府の意識向上と一層の努力を求めた。

広域連合などに関わる労働条件整備は「地域手当は、派遣先の適用がなされるよう木津川市では条例化された。今後も各自治体に助言していく」との回答に「八幡市でも笠置町でも条例化された。そこで働く組合員のためにも早急な対応が必要である」とさらなる積極的な助言を求めた。

短期間育休取得者の期末手当支給割合の見直しについて、十三団体しか取り組みできていないことについて、マイナス改正は積極的に助言するが、改善は対応が遅いと苦言を呈した。

また、公契約基本条例制定の推進について、府は同日、公正な競争、地域経済への配慮、安心・安全の確保の観点から公契約大綱を発表したことを公表した。府本部は各自治体での取り組みが進むよう具体的な助言を求め交渉を終了した。

被災地に思いを寄せて

アースデイコンサート開催

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アースデイは、四月二十二日を「地球の日」であると宣言し、地球環境に関心を持ってもらおうとアメリカで始まった取り組み。府本部は四月二十五日、そのアースデイの趣旨に、東日本大震災からの復興と再生を願い支援する意味をプラスした「アースデイコンサートplus」を開催。組合員や家族など六十六人が参加した。

会場は自治労加盟単組の職場である関西日仏学館(京都市左京区)で開催した。京響音楽家労組組合員六人により、第一部はヴァイオリン、チェロ、コントラバスによる弦楽三重奏と、フルート二重奏で各楽器の特色を活かした演奏を聴いた。

ドリンクタイムでは、岩手県本部を通じて取り寄せた物産販売を行い、参加者には物品購入による被災地支援に協力をお願いした。

第二部は、「音楽は国境を超えることができるか」をテーマに『トルコ行進曲』や『誰も寝てはならぬ』など誰もが耳にしたメロディや、宮崎アニメメドレーが続いた。

演奏者は、被災地に世界中から音楽が寄せられ、復興への勇気と絆となったと紹介し「国境を越えられる」と締めくくった。

環境にやさしく。10の生活にチャレンジしよう!

10の生活にチャレンジ

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連合は、安心社会の実現のためにエコライフ21を提唱している。今年は原発再稼働の是非と夏期の電力供給不足が論じられているなかでの取り組みとなり、「十の生活にチャレンジ」と題して、さらなるライフスタイルの見直しの啓発を行っている。一人や一家庭での取り組みはわずかでも、地域全体で行うと大きな効果につながる。

持続可能な社会をめざして、私たちが環境問題に積極的に向き合い生活習慣の改善にチャレンジしよう。

10の生活にチャレンジしよう(PDF 400KB)

臨時・非常勤 処遇改善の取り組み学ぶ

近畿地連青女協春闘討論集会

近畿地連青年女性協議会二〇一二年度春闘討論集会が二月二十五日に奈良県「春日ホテル」で開催され、京都府本部女性部から三人が参加しました。

青年女性協議会福田議長より主催者挨拶があり、自治労本部より佐々木伸青年部長の来賓挨拶がありました。

「臨時・非常勤職員の処遇改善と組織強化について」と題し、香川県善通寺市立保育所臨時職員労働組合執行委員長の加藤睦枝さんの講演を聴きました。
善通寺市立保育所では、八割の臨時任用職員と二割の正規職員という人員配置の中、臨時任用職員の待遇や労働条件、劣悪な職場環境の改善のために臨時職員の組合を立ち上げることになった。その経緯や立ち上げのために法律等の勉強をしながら日々、頑張っている話に感動しました。 また、同じ女性としてこれからも待遇改善のために頑張りたいと思いました。

地域から笑顔あふれる社会へ

京都中央メーデー 3会場に12000人

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京都市地域

連合京都は四月二十九日、「第八十三回京都中央メーデー」を三会場で開催。今年はメイン会場を長岡京市のポリテクセンター京都、京都市地域は梅小路公園、南山城地域は太陽が丘となった。東日本大震災の復興支援として「笑顔で元気をとりもどそう!つながろうNIPPON」をスローガンに、式典とイベントを行なった。地域で顔の見える運動を推進し、より参加しやすいメーデーとするために三会場開催となり、約一万二千人の組合員や家族が参加。自治労からは、各地域に約九百人が結集した。

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乙訓メイン

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南山城地域

メイン会場の式典では、細田会長が「各地域での雇用創出に向けた取り組みを強化したい」とあいさつ。復興支援としてがれきの広域処理の必要性を訴え、さらに大飯原発の再稼動問題にふれ「拙速すぎる」と政府の姿勢を批判。最後に、「地域から笑顔があふれ働くことを軸とする安心社会実現」をめざすメーデー宣言を採択し閉会した。

[科学] 金環日食がやってくる

日食メガネなどで安全に

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五月二十一日、日本の太平洋側を中心に金環日食を見ることができ、金環日食帯を外れた地域でも深く欠けて三日月形になった太陽の部分日食を見ることができる。

日本国内で見られた最近の金環日食は一九八七年の沖縄金環日食で、以来二十五年ぶりとなる。

日食はなぜ起こる

地球のまわりを約二十七日で回っている月が新月の時、太陽の前を通ると日食になるが、毎回新月の時に日食になる訳ではない。それは地球が太陽のまわりを回っている回転面と月の軌道とが約五度ずれているためだ。それでも地球上のどこかで年に二回ほど日食が見られる。

皆既日食や金環日食を見ることができる地域は地球上の面積の一%と狭いので、住んでいる地域で見ることができる確率は三百年に一度とも言われ、人の一生に一度も無いほど確率は低い。

金環日食を見ることのできる場所は金環北限界線と南限界線に挟まれたゾーンで、金環日食帯と呼ばれ、このほかの地域では三日月形となった太陽を見ることができる。そして金環日食中心線上では金環の状態が約五分間続く。金環日食と皆既日食の違いが起こるのは、地球から見た太陽と月の見かけの大きさが変化するからだ。

太陽と月は、見かけの大きさはほぼ同じに見えている。ところが地球の軌道も月の軌道も真円ではなく、わずかだが楕円形をしているので、地球からの距離は微妙に変化する。その変化量の違いで、月が太陽より大きく見える時に皆既日食、月が太陽より小さく見える時に金環日食となる。

金環日食の安全な見方

太陽の強烈な光は金環日食になっていても強烈なままなので、決して太陽を直視してはいけない。太陽を観察するには太陽観察専用の日食メガネなどを購入し、正しい使い方で観察して。黒い下敷きやフィルム、ファッションサングラスなど一見良さそうに見えても眼に見えない赤外線などを通すのでとても危険だ。

間接的に観察する方法として推奨されているのが、ピンホールを使った太陽投影法。ピンホールは小さな穴で、直径数ミリメートルの穴を画用紙やボール紙に開け、太陽の光がピンホールを通過した後、白い紙などのスクリーンに欠けた太陽の姿が映る。穴の大きさとスクリーンまでの距離によってクッキリ度が違うのでいろいろ確かめてみては。

観測地の近くに大きな木があれば、木の下には木の葉を通り抜けた太陽の光が木漏れ日となって、欠けた太陽の姿を投影する。金環日食中はリングがいっぱいの木漏れ日を見ることができる。

この貴重なチャンスを安全に、そして多いに楽しんでみよう。

京都 5月21日(月)
金環日食の始め 7時30分00秒
食の最大の時刻 7時30分35秒
金環日食の終り 7時31分09秒

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