2012年6月1日号(第660号)

男女平等社会へ、はじめの一歩を

2012男女平等産別統一闘争

自治労は、「雇用主要求による男女平等の実現」「地方・国への政策要求による男女平等の法制度・社会環境の整備」「労働組合の男女平等参画」という3本の柱を基本に男女平等の実現に取り組み、毎年6月に「男女平等産別統一闘争」に取り組んでいる。今年は6月29日を統一行動日として闘争を推進する。

自治労大会における女性の代議員は、2011年は26.4%で、目標の30%には及ばなかったものの、「男女がともに担う自治労運動」が提起された1995年は12.9%だったことからみれば、着実に運動は進んでいる。

しかし、2011年に世界経済フォーラムで発表された「ジェンダーギャップ指数」において、日本は135カ国中98位であり、政治分野や経済分野における男女格差が大きいと分析されている。また、男女賃金格差は所定内賃金で男性100に対して、女性69.3であり、正社員以外を加え、一時金を含めた給与総額でとらえると、格差はさらに拡大する。

自治労組合員のうち、44.2%が女性であり、正規職員における比率は42.5%、臨時非常勤等職員については84.3%に上っている。賃金については、臨時・非常勤職員と正規職員の間で大きな格差が存在し、この是正が男女平等の課題ともなっている。

新たな労使関係を構築するための組織強化には男女がその個性と能力を十分に発揮できる組合づくりが不可欠であり、全体の半数を占める女性の参画なくしてはあり得ない。これらのことを踏まえ、今年も職場・地域・労働組合の男女平等を前進させるために、自治労本部・府本部・単組一体となった闘争を展開しよう。

府本部は5月16日に闘争委員会を設置し、単組での取り組みを推進するとともに、京都府や市長会、町村会へ男女平等政策について申し入れる。

各単組は、行動指標5項目を参考に身近な男女格差に関わる事例を掘り起こし、獲得目標5項目のうち、未解決課題について当局や雇用主に要求書を提出し、交渉を行っていただきたい。

LET'S CHALLENGE 希望を持って取り組もう!

行動指標5項目
  1. ワーク・ライフ・バランス憲章を踏まえ、ワーク・ライフ・バランスの推進体制を確立するとともに、行動指針の具体化をはかること。
  2. 次世代育成支援対策推進法に基づく、「都道府県・市町村行動計画」および「特定(一般)事業主等行動計画」の実施状況を点検し計画の充実・改善を図ること。
  3. 実質的な職場の男女平等の実現に向け、地方公務員法第13条・雇用機会均等法、パート労働法を遵守する立場で具体的な改善策を講じていくこと。
  4. 地域の状況を反映した男女平等条例または男女平等参画計画を制定すること。
  5. 臨時・非常勤等職員の待遇改善をはかること。
獲得目標5項目
  1. 仕事と家庭の両立支援制度を拡充・促進すること。あわせて、男性の育児休業・介護休暇取得促進のための具体策を示すこと。
  2. 職場の男女平等を推進し、ハラスメントのない安全で快適な職場を実現するための定期的な労使協議の場を設定すること。
  3. 職業生活における本人申し出による旧姓使用のルール化を進めること。
  4. 臨時・非常勤等職員の忌引休暇、子どもの看護休暇、育児時間等を制度化し、有給とすること。
  5. 単組の独自課題、積み残し課題の克服をはかること。

闘争スケジュール

  • 要求書の提出 6月13日(水)
  • 交渉ゾーン 6月20日(水)〜28日(木)
  • 統一交渉日 6月28日(木)
  • 統一行動日 6月29日(金)

《2012男女平等産別統一闘争 キャッチコピー入選作品》
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都市交との協議、本格化 本部中央委員会で組織討議案

本部第144回中央委員会

自治労本部は5月24日から2日間、福島市内で第144回中央委員会を開催した。公務員制度改革や人員確保闘争など当面の闘争方針案を含む7つの議案が提起され、すべての議案が可決・承認された。

第2号議案では都市交との組織統合方針案が確認された。都市交とは、日本都市交通労働組合の略。全国の公営交通事業者の労働組合で構成しており、京都では京都交通労働組合が加盟している。

自治労は、2012年2月の都市交からの産別統合にむけた協議の要請を受け、中央執行委員会、県本部代表者会議等において、産別本部間で統合協議を進めることを報告・確認し、両産別間での統合課題にかかる検討を七回にわたり重ねてきた。今回、両産別本部間で基本的な方向性の確認と認識の共有化をはかることができたため、都市交との組織統合方針(案)として、組織討議に付したもの。

今後、各県本部・単組での意見集約を行いながら、並行して都市交との統合協議を引き続き行い、2012年8月の第84回定期大会において自治労としての基本判断を行い、組織統合方針の決定をめざす。

自治労は、1992年より地域公共サービス労働者の総結集を産別の中心課題として推進してきた。都市交との組織統合も、この基本スタンスに基づくものであり、地域公共サービスに携わる労働者の連帯を強化していくことにある。府本部は、京都交通労働組合との統合により、「公共サービスの再生と強化」、地域社会と住民の切実なニーズに対応できる強力な自治体と公共サービスの確立をめざしていく。

基地の中にある町、沖縄

5.15沖縄平和行進

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5月10日(木)から13日(日)の4日間行われた「第35回5・15沖縄平和行進」に京都府本部から9名が参加した。米軍基地移設、安全保障、騒音問題、米軍人による犯罪など、一言で表現できない難しい課題を背負う沖縄。この平和行進を通じて「基地の中に沖縄の町がある」という言葉の意味を感じることができた。

『初日』

沖縄は今年の5月15日で復帰40周年を迎えた。しかし、米軍基地が75%を占有する状況は全く変わらず、復帰記念の祝賀ムードはない。

結団式の開会に際し、平和行進実行委員長の崎山氏が「私たちが願った復帰の姿にはまだ遠い。本土と沖縄との現状認識の差は歴然だ。この平和行進を通じて、沖縄に基地があるのではなく、基地の中に沖縄があることを痛感して欲しい。平和の創造めざしてがんばろう」とあいさつ。参加者はそれぞれのコースに分かれ明日からの行進に備えた。

『2日目』

いよいよ行進の初日。府本部からの参加者は西コースに属し、この日は読谷村役場から嘉手納基地に沿って北谷町商工ホールまでの17.4キロを歩く。

読谷村役場前を出発してから約7キロ。突然、爆音が空に響きわたる。爆音・騒音で問題になっている嘉手納基地に到着した。地元の砂辺地区の自治会長は「今日は平和行進に来るので戦闘機のタッチ&ゴーの訓練がない。皆さんに爆音を聞かせないためだ。爆音のために地元を去った人家の跡地に米兵住宅が思いやり予算で建設される。いつ、私たちも爆音に耐え切れず故郷を追われるか、分からない」と苦しい心情を話した。

砂辺地区を後にした行進団は、嘉手納基地を左手に北谷町まで「爆音を止めろ」、「沖縄を返せ」とシュプレヒコールを行いながら行進し、初日の行動を終えた。

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『3日目』

行進2日目、初日に続き27℃を超す気温の中を進む。沖縄市役所を出発し北中城村役場まで、嘉手納基地を右手に、広大な基地の規模を体感した。途中、アメリカ映画そのものの米兵住宅や車両など、日頃テレビなどに映し出される沖縄の風景とは違う風景が、地元住民の日常生活と混在していた。この日は、13.8キロを歩いた。

『4日目』

いよいよ最終日。普天間基地のある宜野湾市役所からゴール地点の宜野湾海浜公園まで、6.5キロを行進。出発地の宜野湾市役所には「地位協定を抜本的に見直せ!」などの看板が掲げられ、地元の強い思いを感じた。普天間飛行場メインゲート前で休憩をはさみながら、行進団は宜野湾海浜公園にゴール!全日程約37キロを完歩した。

行進全般を通して「基地の中に沖縄の町がある」という言葉の意味を充分感じることができた。「歩くことで知る沖縄がある。語ることで見える沖縄がある」。沖縄平和行進は、歩きながら一人ひとりが「平和とは」、「軍隊とは」を考え、それぞれの答えを導く運動であった。

地域変える「自治研力」

NPO自治総研が総会と記念講演 2012年5月18日

京都地方自治総合研究所は5月18日、NPO法人を取得して初めての総会を開催した。総会では、法人取得によって可能となった、自治体事業の受託についても積極的に追求することが確認された。

総会後は、こどもみらい館において、「地域を変える自治研力」と題した総会記念講演を開催。講師には、NPO法人丹南自治研センターの伊藤藤夫さんを迎えた。

福井県の中心部に位置する丹南地域(越前市・鯖江市など)にある同センターは、2007年に自治体職員が中心となってNPO法人を立ちあげた。以後、必ず「市民と一緒に」をモットーに活動を続けている。福井鉄道福竹線の存続運動や、お見合い電車「ラブ電」の運行、市民立・労働者立の「児童養護施設」の開設、下水道処理場建設に反対する地域住民の誤解を解くために「めだか連絡会」を創設するなど、労働運動を超えた幅広い活動を展開し、市民の支持を得ている。NPO法人取得により新たな事業展開を広げる京都自治総研にとって、力強いエールとなった。

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