2013年1月1日号(第671号)

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蛇の目傘
日本の伝統文化である和傘の一種。竹の骨に紙を張り,上端を中心に施された白い同心円状のデザインが上から見た時に、へびの目に見える事から、この名前がついた。現在は無地や、各種柄物の和傘も全て蛇の目傘と呼んでおり、細身の美しい和傘の総称となっている。また、和傘はそのシルエットが末広がりなので、昔から縁起に良いとされており、結婚式や各種の贈り物として広く使われる。八十歳のお祝いを「傘寿(さんじゅ)」にも用いられる。昔は全国各地に多数の和傘製造業者があったが、京都に限らずその数は激減している。

ひとりひとりの
力を結集し
地域のきずな
深めよう

2013年、
新たな仲間とともに自治労運動の前進を図ろう

執行委員長 橋元信一

新年明けましておめでとうございます。

お正月はご家族やご友人と、ゆっくり過ごしていただいていることと思います。昨年は、組合員の皆様については自治労京都府本部に結集し、様々な活動や取り組みにご参加いただきありがとうございました。

さて、世界経済はリーマン・ショックがもたらした世界金融危機から各国における財政赤字や国債への信用不安を招き、世界的なドル安や株安となりました。その影響もあり、財政赤字に苦しむ国では、社会保障や人件費を含むカットが推し進められ、労働者の生活が悪化した事が社会的な問題となっています。

国内においても、年収200万以下の層が1000万人を超え、生活保護受給者が増加し勤労者の格差拡大に繋がるなか、2012年は国家公務員の大幅な賃下げや退職金削減など、公務員労働者の生活実態が大きく変わろうとしています。また、地方公務員の自律的労使関係制度の確立に関する法案について、閣議決定はされたものの野田内閣の解散により廃案となりました。

そんな中、第46回衆議院選挙が行われ、「コンクリートから人へ」をスローガンに、未来の日本を見つめた「人への投資」を重点にした政策がなかなか国民に伝えきれず、自治労が支持・支援を行ってきた民主党は大敗し57議席に陥ったことをふまえ、今年の夏に行われる参議院選挙には、自治労組合員の思いがわかる自治労組織内予定候補の「あいはらくみこ」さんと、京都選挙区では「池坊美佳」さん、お二人を圧倒的な勝利で、国会へ送らなければなりません。組合員のみなさん、ご家族、ご友人とともに「あいはらくみこ」、「池坊美佳」の支援の輪を広げていただく事をお願いいたします。

今年は、へび年です。「蛇の足より人の足を見よ」(役に立たない事を考えたり論じたりするよりも、身近な事について考えるほうが大切だということ)のことわざのように、しっかり各単組・支部で足固めをし、組合への加入促進を軸に組織を強固にしていただき、直面する様々な課題解決のため自治労運動への参加をよろしくお願いいたします。

今年の6月には、都市交「京都交通労働組合」との統合が決定しています。新しい仲間とともに2013年の自治労運動にまい進していただくことをお願いいたしまして、年頭のご挨拶といたします。

新春座談会

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作:池坊美佳

雇用を軸とする安心社会の構築と
地域公共サービスの発展・強化をめざそう

参議院選挙に向け自治労組織の結集を

12月16日に行われた第46回衆議院総選挙は民主党にとって大変厳しい結果となった。自治労にとっても今年7月に実施される第23回参議院選挙は絶対に負けられないたたかいとなる。

新春座談会は、組織内予定候補の「あいはらくみこ」参議院議員、松井孝治参議院議員、京都選挙区でバトンを引き継ぐ「池坊美佳」さん、橋元信一執行委員長の4人に日本の未来や参議院選挙への決意について語っていただいた。

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執行委員長

橋元信一

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自治労組織内参議院議員

あいはらくみこ

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華道家

池坊美佳

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進行(府本部書記長)

高橋直樹

 

参議院議員

松井孝冶

2012年、これまでの活動を振り返って

高橋
あけましておめでとうございます。まず、昨年を振り返っていただきたいと思います。
橋元
労働組合の活動を市民に認知してもらうため運動を展開してきました。しかし、公務員制度改革、自律的労使関係について閣議決定はされたものの廃案となりました。自治労としては引き続き訴えていくべき重要な課題だと思います。
松井
先日の選挙は、政権交代の期待が高かった分、十分応えられなかったという反動もあり大変厳しい結果となりました。政権交代の理念は決して間違ってはいなかったと思うので、乗り越えて当選した議員で再出発をしないといけない。私自身の議員としての活動はあと半年ですが、新しい公共などいろんな改革の理念が生まれたことは感慨深いですね。
池坊
昨年十月、参議院選挙に向けて活動をしていくことを決めました。伝統文化のひとつである「華道」という仕事をしてきた中で色々なことに直面し、国政の場で文化や福祉などに携わりたいと思い決意しました。
あいはら
公務員制度改革は、民主党政権でやらなければならなかったこと。結局廃案となってしまったことは本当に不甲斐ない思いです。公務現場で働く「労働者」の権利として労働三権を確立させることは先進国の日本としては当然のこと。引き続き、取り組むべき課題だと認識しています。

伝統・文化への思い。心の豊かさを求める時代へ

高橋
あいはらさんは北海道出身ですが、京都のイメージはどうですか。
あいはら
やはり中心部のお寺、神社のイメージが強く、観るところがたくさんある。古いから良いのか、都があったからなのか、観光地としてゆっくり歩いて楽しめる街だと感じています。食べ物もおいしいですよね。抹茶も好きですし、鴨川の夕涼みもよいですよね。見るべきところが適度な広さに点在しているのもよいですね。「そうだ京都へ行こう」、あのキャッチコピー通りのイメージの街です。町屋も北海道にはないので独特のイメージですよね。
それから自治労本部時代や選挙の時にお邪魔した時、京都市埋蔵文化財研究所や、関西日仏学館の組合員のみなさんにもお会いしました。京都市交響楽団の楽団員も仲間ですよね。歴史・文化も多様なんでしょうが、組合の中の文化の多様性も感じました。
高橋
華道の世界について少し教えてください。
池坊
いけばなは元々、仏様に捧げる花が起源です。医者がいなくて薬のない時代に、自分の愛する者が例えば病に苦しんでいるときに、祈りを込めてお花を挿したことから始まっています。京都にはたくさんの伝統文化、伝統工芸があります。その伝統文化の一つであるいけばなの家に生まれ育って感じることは、北海道から九州、沖縄まで、どんな地域の、どんな小さな町でもいけばなを続けていただく方がいて、その方々の次の世代に伝えたいという強い意志や愛情なければ続かなかったということです。しかし、現在では日本間、床の間のない住宅が多く、本来のいけばなの素晴らしさを説いても理解は得られません。伝統文化の素晴らしさとは、大切な部分は守りながらその時代のニーズや生活様式を取り入れ、変化していくところです。
また東日本大震災で被災地にお花を生けに行った時も「こんなにきれいな花久しぶりにみた」、「すごく元気になった」と言われ、反対に私たちが元気をいただき、伝統文化の力をもっと社会に広げる必要があると感じました。
松井
被災地の仮設住宅で落語会を開催して回る友人がいます。
なかなか心がほぐれていなかったりする被災者の方々でも落語を聞いて気持ちがふっと緩んで暖かい気持ちになられるのが嬉しくて毎週のように活動を続けています。お花もお茶も無限の心の豊かさみたいなものがぱっと広がる部分があると思います。公務員のみなさんの仕事のやりがいもおそらく人助けだと思うのですが、そういう「生き甲斐ややりがいを社会として増やす政治」を作りたいと思っています。同時に労働組合には、まさにお互いの生き甲斐をどう作っていくかという部分で重要な役割を担ってほしい。従来の賃金労働条件の交渉に加えてお互いに支え合い、豊かな生活を作るための役割ですね。
橋元
区役所にお花が置いてあって「市民の方から「お花があるとホッとするね」といわれた」と組合員さんから聞いたことがあります。お花ひとつで人間の心や空気が変わるということは実感できます。労働組合も人間の心とかきずなとかそういう部分で発展することが大切ですね。

「新しい公共」と労働組合の役割

高橋
地方自治や行政に対する「新しい公共」のイメージについて。
松井
「新しい公共」を提言したモデルの一つに京都のコミュニティ・スクールがあります。京都の町衆が番組小学校というのを明治時代に作りました。それは、京都市民、特に洛中の市民がお金や土地を出し合って、京都の子供たちのための教育を作るんだという歴史と伝統でした。役所に言われたからではなくて、自分たちがそういう公教育をつくるという歴史と伝統を踏まえ、地域住民が参加し、教育委員会や学校、文科省などを巻き込み、地域の学校で子供を育てる。教育や学習指導について議論できるのは京都ならでは。コミュニティスクールはどんどん増えていますが、一番盛んなのは京都です。教育だけでなく、福祉や医療など他の分野でも京都モデルをつくるのがこれから必要となります。
今回の選挙の結果、「コンクリートから人へ」を古い政治に戻すのか、さらに前に進める政治をするのかが問われます。公務に限らず労働組合の活動自身が公共的な公益を実現する共同体ですので、共同体同士がどうやって連携していくかがこれからの日本、京都での課題となります。自分たちが政治、公共にかかわっていくという気持ちになれるような政治をどうつくるのか。コミュニティスクールの例は、地域の子供たちを育てる学校をどうよくするのか一緒に考えようとした人たちの気持ちに還元していく。住民自身が政治や行政に関わるために、政治家や公務員に私たちの代表として仕事をしてもらう。問題があれば、住民自身が補う。そういう関係を作り出すための「新しい公共」など、労働組合活動が組合員の気持ちを一つにするものを発信していかなければならないのと同じように、連帯がいろんな運動の共通課題だと思います。
高橋
私も昔、「これからは連帯型の労働組合を作ってください」と言われたことがあります。「抵抗型からはじまった労働組合は今は要求型。生活の糧として給料をいただくのは当然ですが、仕事に生きがいを持つことも大切です。とりわけ自治労の組合員のみなさんは仕事が地域住民に対するサービスですから、誇りを持って生活の糧として労働運動をするだけではなく、連帯とか地域住民に対するサービスの仕事を喜びとする労働組合運動を続けてもらわないとこれからの組合運動は持たない」という忠告や助言をいただきました。新しい公共の中で実践すべき時代なのかと思います。池坊さんは労働組合のイメージは?
池坊
過去も今も、強くて近寄りがたいイメージがありました。でも今回いろんなところに挨拶させていただき、本当に皆さん親切で暖かくて、まじめに真摯に物事を捉えておられることを感じました。何より、その地域に生きて働いている方が、安心・安全で、人として当たり前の幸せを得るために要求していることが、なかなか地域で伝わらないのは残念だなと思います。人のために何かをする人が少なくなってきている時代なので大変だと思います。
あいはら
今の日本はやはり格差拡大で安心社会が壊れていますよね。ここを改善していくのが、まず第一です。格差の拡大は、ある意味、ファシズムに人を走らせやすくします。今がまさにその状況ではないでしょうか。怖いですよね。
そこに歯止めをかけていくことが、国会議員としての私の職責です。同時に、組合員の皆さん、この国に暮らすすべての皆さんにも、熟考していただきたいと切望します。私たち一人ひとりが、不満、不安をどこかに転嫁するのではなく、きちんと課題化し積み上げていくことによってはじめて、本当の民主主義がこの国に根付くのではないでしょうか。

2013年今年の抱負は?

高橋
最後に参議院選挙への意気込みや、今年の抱負を一言ずつお願いします。
松井
自分でやり切れたこと、やり切れなかったことをきちんと後の人に伝えていく。残り半年これまで自分が思ってきた行政や政治に関する問題意識を、池坊さんをはじめ、私がバトンをつなぐ人に受け継いでいきたい。池坊さんには豊かな社会にするため、暖かい温もりのある社会を作り出すことを期待します。
池坊
松井議員の後でプレッシャーはありますが、国政をめざす時には「民主党」と決めていました。京都は広いので、皆さんとお会いして、自分が何ができて何を求められるのか、しっかり受け止めていきたいです。
あいはら
組織内議員として、何としてもこの議席を守りたい。現場の課題、地域の課題をしっかりと連携しながら取り組みたいと思います。自治労組織内として議席を確保する必要性、それは何故かというと、自治労の運動の広さと職域の広さから、この国の将来あるべき姿の課題が見えてくるからです。住民に一番近いところでサービス提供している公務労働の場から出てくる課題は、そこに生活している人々の課題に他ならないのです。私は、自治労運動の発展は、仲間の皆さんの生活を守ることはもとより、この国の生活者である一人ひとりの安心、安全につながることだと確信しています。私一人の力では何もできないので、自治労京都府本部に結集する仲間の皆さん、ともにがんばりましょう!
橋元
今後どのような形勢になっていくかわかりませんが、自治労としては、安心して生活できる社会の構築と地域社会を支える公共サービスの発展と強化、民主的かつ近代的な公務員制度の実現を通じて公務員の労働三権が与えられるような社会をめざします。そのために今夏行われる参議院選挙で、組織内予定候補の「あいはらくみこさん」と、京都選挙区では「池坊美佳さん」の支援の輪を広げたい。そのためにも組織の拡大を重要課題として取り組みたいと思います。

ヒーローを待っていても世界は変わらない

湯浅 誠(活動家)

社会が変わるとは

社会が変わるとはどういうことか。私は20年近く活動してきたが、そんなことをしても社会は変わらないと言われ続けてきた。政治権力を獲得しないと変わらないという言い方もされた。

では政権交代で社会は変わったか。何も変わらなかったと言う人も少なくない。政治権力を取ればなんでもできるというわけではない。改めて「社会が変わるとは、どういうことか」が問われているのではないか。

社会を「ピン止め」する

柄谷行人氏は昨年の脱原発のデモで日本社会は変わったといった。どう変わったか。彼はデモをすることでデモができる社会に変わったと表現した。狐につままれたように思う人もいるだろうが、社会が変わるとは日々変わり続ける社会をある時点で「ピン止め」するようなものだと私は思う。いつでもデモを起こせる社会になることも、ある政策や制度が実現することも、選挙の結果も、社会をある時点で「ピン止め」するものだ。それを一歩前進だとか半歩後退だとか評価し、また日常の活動に帰っていく。

橋下現象をどう見るか

石原新党や橋下維新に私も危機感を感じる。しかし、問題はどうして私たちの側がオルタナティブ(代替)を出せないかだ。彼らに違和感を持ちながらも支持している、いわゆる消極的支持層は、同時に市民運動や労働運動にも違和感を抱いている場合が少なくない。

そう思っている人たちに問いかける言葉、接触できる回路を私たちは持っているだろうか。日常的にできていなくて選挙になったら突然できることなどあるはずがない。それを候補者に求めても無理なことだ。「ヒーローを待っていても世界は変わらない」と私が言う意味はここにある。

既得権益攻撃で剥奪される組織運動の社会性

今、公務員や労働組合が既得権益として攻撃にさらされている。何を言っても自分たちの利益を守るためだとされてしまう。これによって剥奪されるのは社会性だ。無力感が増し、自分一人が何をしても変わらないと思ってしまう。この無力感は現代の病だ。今こそ一人一人の力の見せ所だ。

「非組織」層とつながる

では、何から始めるべきか。昨年のダブル選挙で組織票でなく平松さんに投票した人が、私の試算では6万人ほどいると思われる。この人たちを私は「非組織」と名付けた。大阪に来てこの人たちとつながりたいと思った。この人たちの声を聞きたいと思った。この人たちが非組織のままで組織と連携し発言するところに組織が社会性を回復していく回路もあるのではないか。そのためには社会運動の側、組織の側から彼ら・彼女らとつながる回路を持たなくてはならない。

実践の積み重ねが社会を変える

公務員をたたいて誰の得になるんだと思っている人は世の中にいる。しかし出会えなければその人の声や活動をサポートすることはできない。いろんな人とつながる実践の積み重ねこそが重要だ。非組織の人が自分の意見を表現するシステムを世の中に組み込む。そのサポートを労働組合など組織運動の側の仕事として位置付ける。できなかったことよりできたことを数える前向きな発想で。その営為が、いつか社会をピン止めするとき、力を発揮するのではないだろうか。

【えと】熱帯では夏眠するヘビも

あまり知られていないヘビの生態

ヘビの特徴

目(視覚)は、まぶたが無くウロコの変化した透明なメガネと呼ばれるものに覆われ、目は開いたままの状態になっています。目の位置から判断して、前方60度程度しか見えていないと考えられています。

耳(聴覚)は、皮膚内にうもれていて空中を伝わる音波は感じません。ヘビの近くで騒いでも特に問題はありません。

皮膚(皮膚感覚)は、聴覚が弱いかわりに地面の振動などは良く感じるようです。とくに頭部では効果的に敵や獲物の足音を感じています。

舌・鼻(味・嗅覚)は、口の中の上部にヤコブソン器官といわれる特有のものがあり、これにより司られていると分かっています。一般に良く知られるようにヘビは絶えず長い舌をチョロチョロ出していますが、これは単なる癖ではなく空気中のにおいや味を舌でとらえ、ヤコブソン器官に送り判断しているといわれています。ネズミの通った後を舌先で捕らえ追跡したり、交尾期に相手を探すのもこの器官によると考えられています。

嗅覚は鼻孔の口腔(こうくう)に通じる部分のふくらみにあります。ヤコブソン器官に神経が分布し、舌とあいまって嗅覚を司っています。舌の前部は二股に分かれ、空中にただよう臭いを吸着させ舌を口に納めると先端がヤコブソン器官に差し込まれ嗅覚を助けます。舌は空中の震動も感じます。

ピット器官(温・距離感)は目と鼻孔の間にある一対の器官で、多くの神経・毛細血管が集まっていてわずかの熱(赤外線)でも感じ取ることができます。ヘビの目を覆い、熱を持った電球やゴム球を近づけると正確に飛びつき咬みつきますが、熱のない物を近づけても反応はありません。生きた温血動物を餌とし敵を一撃で倒すために発達した器官です。

ウロコは、魚のようにたくさんの爪状のものが重なっているのではなく1枚の皮膚のヒダでできています。脱皮はヘビの種類によって時期は違いますが年に2〜3回、周期的に行います。脱皮する場所は水たまりの回りが多く、岩などにこすり付けて約50分で終わります。

変温動物だけど…

ヘビは哺乳動物のように体温調節ができない変温動物です。そのため、体温を最適の温度に保てるよう必要に応じて暖かいところと涼しいところを交互に移動しています。冬になると活動できないため冬眠しますが、南向きの温かい土の中で越冬することが多いようです。熱帯地方では暑さをしのぐために夏眠するヘビもいます。

生息地は、森林、草原、砂漠、川、海などさまざま。食性もかなり広範囲の動物食で、鳥類・魚類・哺乳類・爬虫類をはじめ、ミミズ・カタツムリ・白アリまで食べます。

アオダイショウのように木登りが得意なヘビは鳥を襲うことが多く、地上性のマムシなどはネズミ類、里山などにいるヤマカガシやヒバカリは池や田んぼに生息する小魚やドジョウなどを食べています。大型の種類ではシカやワニ、人間までも捕食することがありますが、変温動物で体温を保つ必要がないため、食事の間隔は数日から数週間にも及ぶことがあります。

捕食の仕方は、咬みついてそのまま強引にくわえ込む、長い胴体で獲物に巻き付いて締め上げる、毒蛇の場合は毒牙から毒を注入して動けなくするなどの方法があります。自分の体より大きな獲物をのみ込む姿も特有のものです。口が上下に大きく開き顎の左右が別々に動くようになっているので、大きな動物をのみ込むことができるのです。

無毒蛇の場合、相手が強い場合は敏速にぐるぐるに巻いて締めつけ、窒息死させた後ゆっくりのみ込むことが多く、毒蛇は獲物に毒を注入し、たとえ相手に逃げられても後を追い、倒れた後にのみ込みます。

ヘビは、生存するための温度・湿度などの物理的条件はもとより、食性による環境条件にもうまく適応させているのです。

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