自治労本部は8月24日から26日に石川県金沢市で第88回定期大会を開催した。代議員778人(総数796人)が出席、傍聴者を合わせて4300人が2年間の方針について論議を深めた。京都府本部の代議員は7人、専門部・評議会等の事前大会(8月22日から23日)の参加者を合わせて68人が金沢の地で自治労運動推進の議論に耳を傾けた。
今期で退任する自治労本部、氏家委員長は「2年連続での月例給・一時金の引き上げ勧告が出されたが、今後凍結や値切りなどが行われないよう取り組みを強化する。地域間格差の是正や地方交付税の財政調整機能堅持にむけ取り組みを進める。組織拡大、平和・脱原発闘争など重要な課題の解決、打倒安倍内閣をめざし自治労一丸となって闘おう。えさきたかし再選に総力を尽くそう」と挨拶した。
来賓には、連合・古賀会長、民主党・岡田代表、社民党・吉田党首、石川県・谷本知事、金沢市・山野市長など多くが出席し、自治労の運動への理解と、共に取り組みを進める決意を表明した。
大会では岡本書記長が本部方針を補強する意見を発言。また、公営競技評議会総会で京都競輪労組の新井委員長が議長を務めた。さらに、数年ぶりに衛生医療評議会総会に、自治労京都市職の北村さんが全国幹事として参加した。
会場討論では、「本部は賃金闘争を『人事院・人事委員会勧告への戦略的対応』を基本に賃金の底上げをめざすとしているが具体的内容を示してほしい」「戦争法案を廃案にするための行動提起を」など、人事院勧告を受けての賃金闘争と安全保障関連法案の廃案に向けた取り組みが中心となった。また、組織拡大に向けて県本部交付金の在り方や、男女平等の取り組み強化の意見が出された。
京都府本部、岡本書記長は「ラスパイレス指数の比較で100を最低基準とするなら、多くの自治体で100を超えない状況となる。確定闘争ではラス100を最低基準とする資料や数字が必要となる。また、自律的労使関係の確立にむけ議会・住民の納得が得られる対策を。組織拡大交付金の存続、さらに、公営競技場の廃場や委託等の情報が必要。」と本部へ要望を合わせた発言を行った。
本部は、「確定闘争では、地域手当非支給地でも公民較差をベースに4月に遡及して月例給に反映させたい。自律的労使関係は2018年を焦点として対応を図る。交付金の在り方は2017年の期間終了までに論議したい。」と答弁・見解を述べた。
任期満了を迎えた本部役員選挙が執行された。四役・執行委員は全て定数内の信任投票となり、全員が信任された。
新委員長には北海道本部、川本淳さん、新書記長には神奈川県本部、福島嘉人さんが就任した。
京都府本部、高橋委員長は引き続き監査委員に選出された。
大会は、全ての報告・議案が承認され、川本新委員長の力強い団結がんばろうで閉幕した。
参議院で審議中の安全保障関連法案に反対する全国一〇〇万人大行動の集会が、国会議事堂前ほか全国各地で開催された。
府本部は大阪市北区の扇町公園の集会に16人が参加。約2万5千人(主催者発表)が集まった。
集会の呼びかけ人を代表して大阪大学の木戸衛一(えいいち)准教授は、「法案の廃案を求める。学生たちが自分の言葉で戦争反対を意思表示している」と挨拶。その他、民主党・辻元衆議院議員や社会民主党・又市幹事長の連帯のスピーチがあった。
また、創価学会の有志から「学会員にも戦争法案に反対する動きがある」との報告があった。
その後、「戦争アカン!」の赤いプラカードを全員で掲げて意思表示をし、三コースに分かれ、「戦争法案絶対反対」、「強行採決絶対反対」などのシュプレヒコールをあげながらデモ行進を行った。
9月6日、さよなら原発全国集会(ストップ!原発再稼働)が梅小路公園芝生広場(京都市下京区)で開催された。
福井県・高浜、鹿児島県・川内、愛媛県・伊方の現地報告があり、続いて前滋賀県知事の嘉田由紀子さんが「原発事故で人は避難できても琵琶湖は避難できない」と湖水の危機を訴えた。
集会アピール(案)を京都平和フォーラムの牧野事務局長が読上げ採択された。
雨が降るなか、約5500人の参加者は「ストップ!原発再稼働」のプラカードを掲げて原発再稼働反対を強く訴えた。
府本部は労働安全衛生月間の取り組みとして7月29日、ハートピア京都で労働安全衛生活動の基礎と職場巡視の方法を学ぶため労働安全衛生学習会を開催した。
講師には連合大阪労働安全衛生センター参与の西野方庸氏を招いた。
西野さんは人間の欲求の中で「けがをしたくない、危ないことは避けたい」などの安全の欲求は、生理的欲求の次にある基本的な欲求である。その上で死亡災害は減少しているが、介護労働者の増加などで死傷災害が増加傾向にあると現状を説明した。
また、労働災害やメンタルヘルスを引き起こさないためには、安全衛生委員会を活性化させ職場の危険リスクを明確にすることや、職場改善チェックリストを活用し具体的な改善策を考えながら職場巡視を行うことが必要だと述べた。
その後、府本部書記局に移動し一般事務職場の模擬職場巡視を行い、通路の幅や照明の明るさなど職場巡視のポイントについて説明を受けた。
社会福祉評議会は8月8日、京田辺市商工会館で京都保育集会を開催、8単組・24人が参加した。
冒頭、井上隆幸議長が開会の挨拶。集会では自治労社福評保育部会幹事の駕谷貴子さんが、学童保育の拡充と学童保育労働者の処遇改善・人材確保について説明した。「新制度で放課後児童クラブの拡充がうたわれているが、国の基準は参酌基準で実際は何も変わらない。高学年の受け入れが始まり、施設環境は変わらないのに定員だけ増え、職員の人員不足は危機的」と訴えた。
取り組む課題は、@指導員の仕事の確立A定員に見合った配置基準と財政保障B安心して働き続けられる労働条件などの5項目。
今後、自治労で実態調査を実施するとともに、国家資格化と安易な補助員導入の反対をしていくと提起した。
続いて、近畿地連社福評議長の東向旬子さんが、保育士の処遇改善など「保育所は3K(きつい・帰れない・クレームが多い)職場。国の保育士の確保に向けた総合的取組は現場実態と合っていない。保育士の確保は、育成研修よりも労働条件の向上しかない」とし、「私たちが自己研鑽し、ニーズに応えて市民からの信頼度を高めて保育の質を上げる努力をすることが大切だ」と訴えた。
さらに社会保障関係予算を根拠に建物の建て替えなどを要求していくことなどを提起した。
広島大会(8月4〜6日)
4日に平和公園から出発した折鶴平和行進、続いて行われた開会総会には全国各地から3400人が参加した。5日のフィールドワーク『西松安野中国人強制連行・被爆の歴史ツアー』では、広島安野・中国人受難者を追悼し歴史事実を継承する会の川原さんらの案内で太田川上流の安野発電所に行き、中国人収容所跡、安野中国人受難之碑等を巡った。川原さんは「発電所の建設工事に360人の中国人が連行されて29人が死亡した。長さ8キロメートルの導水トンネル掘りなど厳しい労働を強いられた。安野で起きた事件で捕まり広島刑務所で中国人たちが被爆、爆心地近くで取り調べ中の5人は被爆死することになった。工事を請け負った西松建設の謝罪や補償が和解で実現し、中国人受難之碑を建立した」と話した。
6日の原水禁結成50年記念シンポジウムは「核と人類は共存できない」と長年にわたり被爆者を中心として多くの方々が、核兵器廃絶のために活動されたことが伝わっるものだった。
(自治労京都市職・奥田友美)
長崎大会(8月7〜9日)
1日目に開会総会、2日目に分科会・フィールドワーク、そして3日目に慰霊碑に行った後、閉会総会後に非核平和行進で閉幕した。初日の開会総会では非戦・非核を強く訴え、福島の現状が説明がされた。2日目は分科会で「脱原子力〜再稼働問題と日本のエネルギー政策」のテーマに沿って、原発再稼働の不必要性や原発を所有している県による再稼働問題の考え方が披露された。最終日は各地区にある慰霊碑に献花し、総会終了後、爆心地公園まで非核平和行進をし、黙とうを捧げた。
今回は被爆70年という節目の年であると同時に、安倍政権が推進している安保法制の議論が活発化しているということで参加者全員が高い意識を持ち、戦争や原爆の恐ろしさ、原発再稼働のことの重大さを改めて考える貴重な機会となった。 戦争や原爆投下について知る当時の人たちが年々減りつつある現在、私たちはそういった歴史を受け継いでいき、安保法制に対する議論を更に深めていくべきだと感じた大会であった。
(国保労組・若岡実咲 向井綾)