2017年2月15日・3月1日号(第748号)

府本部第166回中央委員会

めざせ!4年連続の賃上げ

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2月8日、自治労京都府本部は第166回中央委員会を京都市登録会館で開催した。この中央委員会では2017春季生活闘争を含む当面の闘争方針案や補正予算案、執行委員の選任などが提案され、討論を経て全ての議案が可決・承認された。
府本部はスト批准投票で闘争態勢を確立し、連合京都とともに4年連続の賃金引き上げをめざす。出席状況は23単組、41人(うち女性8人19・51%)。

中央委員会議長には久御山町職の佐野中央委員とアカデミー労組の森口中央委員が選出された。森口議長は「成功に向け、力いっぱい努めたい」と挨拶した。

府本部を代表して、高橋委員長が春の闘いに向けて決意を語った。「連合は中小零細企業を含め4%の引き上げを求めて春闘をたたかう。

民間の4割、自治体も3人に1人が非正規の状況で処遇改善が課題である。昨年12月に総務省の研究会が報告書を取りまとめた。雇用年限期は最長1年と改善はならなかったが、手当など評価できるとこともあり、法整備される見込みである。また、長時間労働は大企業だけでなく中小企業でも多く、見せ掛けだけの働き方改革ではなく、実のあるものとなるよう取り組みたい」。

議事に入り、経過報告、会計報告、中間監査報告を行った。続いて、当面の闘争方針案・補正予算案・役員補充案・特別執行員選任案が提案された。採決の結果、全議案が可決・承認された。

闘争宣言案が満場の拍手で承認を受け、佐野議長が「本日の方針をもとに積極的に運動を進めていただきたい。皆様のご協力に感謝する」と退任の弁を述べた。

会場発言・答弁

▼国保労組・西山中央委員

単組の規約改正で非正規も組合員となった。しかし、雇用が1年では拡大が困難で、無期への転換が課題。また、都道府県単位化が最終段階。府議会での質疑状況がつかめない。府および府議と認識を一致させたい。

▼八幡市職労・山本中央委員

人事評価制度について給与反映はまだしていないが、S評価やE評価が見られるなど評価基準がバラバラである。他の単組の状況や情報が共有できる場を持ってほしい。ストレスチェックの結果、個人が特定されるなどで情報がつかめない。どのような対策をとればよいか。

保育職場で自己都合退職する職員が多く、家庭と仕事とのバランスが取れない職場がある。サービス残業や土日もゆっくり休めないなど問題がある。単組間の情報交換ができないか。

府本部答弁・岡本書記長

▽非正規職員の組織化は重要なテーマであり府本部としても単組と協力しながら取り組みを進めたい。無期への転換を制度として要求することが重要。社会保障検討委員会で府と状況や問題点など共通認識を持ちながら対応したい。組織内議員や友好政党との意見交換の場を設けたい。

▽国は、人事評価制度の給与反映は絶対評価で6号昇給8号昇給を予算化している。地方自治体でも若干の改善は必要だが、当局交渉で「絶対評価」を確認していただきたい。

ストレスチェックは集団分析を有効活用できないか。人材確保の問題は他の単組からも聞いている。賃金については法律改正を待つことになる。具体的な課題は単組オルグで協議したい。

京都競輪労組の課題を追加したい。京都府は年末一時金と離職餞別金について組合との約束を果たそうとしていない。裁判闘争となる見込み。中長期的な闘いになるかもしれない。府本部全体として支援したい。

豊かな里山を発信する

 

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2月3〜5日、京都地方自治総合研究所の調査・研究活動が宮城県大崎市鳴子温泉地区で行われ府本部執行委員2人が参加した。

現在、地方では人口減少・高齢化など深刻な事態に直面しており、各地の自治体では都市から地方への移住や定住を促す施策に力を入れている。そこで、全国自治研集会のパネルディスカッションで報告された鳴子とまちをむすぶ「さとのわ」の現地に向かった。

5年前に東京から移住した鈴木美樹さんが、鳴子の温泉・自然・食・文化・人、そして豊かな里山のあれこれを発信する拠点「さとのわ」を開設し、「里山カフェ」「温泉マルシェ」「森林散策」などのプログラムを開催し好評を得ている。しかし財政的に厳しく補助金が交付されたのはつい最近である。Iターンの鈴木さんをはじめ、地元の旅館経営者、観光協会役員、NPO米造りプロジェクト、農業法人、漆器職人、Uターンの子育て女性、さらに「さとのわ」スタッフ(地元・Iターン)、「さとのわ」リピーターなど多様な人たちから鳴子の現状を聞いた。

「人口減少・高齢化・農業の未来・里山荒廃・学校の統廃合など厳しい現状がある」一方、移住者やリピーターからは、「自然や地元産食材の素朴な料理、人柄など、地元の人が気付いていない地域の素晴らしいところが外からはよく見える」との声が寄せられた。また「今後も、地域のセールスポイントを多方面から発信し、来訪者の受け入れ態勢や場所つくりに力を注ぐ」と語った。

詳しい内容は、京都地方自治総合研究所が作成する冊子に掲載するのでご覧いただきたい。

現評旗びらき

先輩から後輩に引き継ぐ

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府本部現業評議会は、「新年旗びらき」を1月28日、京都ロイヤルホテル&スパで開催した。参加者は9単組49人。

主催者を代表して川戸現評議長は「この間、活動が活発な単組とそうでない単組の差が大きいと感じる。私たちには30年前の先輩が残してくれた自治労活動を、未来の後輩に引き継ぐ使命がある。自ら変革しニワトリのように着実に歩を進めよう」とあいさつ。

次に、府本部を代表して高橋執行委員長があいさつ。続いて、米澤自治体議員連合会長から激励のあいさつを受けた。橋本現評副議長の乾杯後、懇親を深めた。

単組報告では、若い組合員だけで参加した単組から「現業職に新規採用され、私たちが組合活動できているのは先輩たちの活動の成果。引き続き採用を勝ち取るためがんばりたい」と決意を表明した。

会の終盤には、自治体議員連合の平井府議、関東八幡市議、西川宇治市議らが決意を述べる場面も。最後は一本締めで閉会した。

保育所・学童保育所・幼稚園・児童館職員京都府南部学習交流会

子どもの自己肯定感を育てよう

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府本部は1月29日、南部ブロック協議会、宇治市学保労組、木津川たんぽぽユニオンと共催で、保育所・学童保育所・幼稚園・児童館職員京都府南部学習交流集会を開催した。会場の府立城南勤労者福祉会館には、学童保育所や保育所などで働く仲間60人が集まり、京都文教短期大学の森川知史教授を講師に迎え「より良い人間関係とコミュニケーション」を学習した。

森川先生は「近い将来、人工知能が自分で学習し、多方面で人間を追い越すだろうと言われている。そうなると人の働き方は変わり、コミュニケーションをツールとする職場が残ってくるだろう。

人と人との関係は信頼、聞く姿勢、適切な距離、自己受容が大切で、価値観の問い直しや人の多様性に気付くことが必要だ」と指摘した。

「一方、子育てにおいては、家庭、学校、社会が連携して子どもの自己肯定感を育てることで、積極的、意欲的に人と対等に関われるようになる」と解説した。

また、「人は死ぬまでコミュニケーションが必要だが、自分の見方が正しいのかを常に確かめること、自分の周りに見方の違う人を持つこと、自分を受け入れることが大切だ」と締めくくった。

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