2019年9月15日・10月1日号(第796号)

核も戦争もない平和な21世紀に

原水禁報告

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「核も戦争もない平和な21世紀に!」をメインスローガンに、被爆74周年原水爆禁止世界大会(原水禁世界大会)が今年も開催された。府本部は、京都平和フォーラムに結集し、福島・広島・長崎でそれぞれの大会に参加した。広島大会と長崎大会の報告を掲載する。

広島大会

8月4日から6日にかけて「被爆74周年原水爆禁止世界大会・広島大会」が開催された。府本部から4単組6人が参加した。

初日は、平和公園から広島県立総合体育館まで原水爆禁止を訴えデモ行進に参加した。その後、式典が行われ被爆体験談や東日本大地震による福島原子力発電所についての報告があった。被爆体験談では、自身も被爆し友達と母親を原爆で亡くした方の体験談を聞くことができた。原爆投下後の街や被爆した人々の様子、避難はしたが必要な治療を受けることができないまま亡くなっていく友達と母親。原爆の残酷さをまるで目の前で見ているかのように感じた。

2日目は、大久野島にて毒ガス工場跡地や防空壕等を見学した。戦時中の日本は、使用禁止となっている毒ガスを戦争で使用していたことや兵器使用時だけでなく、その作成過程や投棄された毒ガス弾薬の発掘による二次的被害があることを知った。

今回、広島での世界大会に参加し、戦争の悲惨さ二度と繰り返してはいけないものであることを改めて感じ、平和が「当たり前」ではないことを学ぶことができた。

長崎大会

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8月7〜9日、被爆74周年原水爆禁止世界大会・長崎大会が開催され、府本部から6名が参加した。初日の開会総会では、核兵器廃絶をめざす高校生1万人署名活動の報告、海外ゲストの紹介などがあり、長崎からのメッセージでは被爆された方々の実体験が語られた。

2日目の分科会では、長崎・佐世保基地めぐりバスツアーに参加した。初めに弓張岳展望台から佐世保港を臨み、佐世保基地の現状について学んだ。また旧日本軍が弾丸庫として使用し現在も残るレンガ造りの倉庫群や、東山海軍墓地東公園、浦頭引揚記念平和公園などを見学した。

3日目は家野町公園内の慰霊碑を墓参し、公民館にて被爆当時の山里小学校を舞台にした紙芝居のDVDを鑑賞した。1人の女性教師が主人公で実話が元になっており、子供向けにとても分かりやすい作品だった。閉会総会後は爆心地公園まで行進し、原爆が投下された午前11時2分に黙祷を捧げた。被爆者の高齢化が進む中、被害を風化させず若い世代に伝えていき、被害者に寄り添い続ける必要があると感じた。

ゆりあげの奇跡から防災を学ぶ

2019京都保育集会 府本部社福評

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府本部社福評は8月24日、京田辺市商工会館で2019京都保育集会を開催。7単組27人が参加した。

集会では、東日本大震災を経験し現在は防災教育の啓発活動をされている元保育所所長(防災教育の市民団体「ゆりあげかもめ」会長)の佐竹悦子さんを講師に日頃の防災について学習した。

佐竹さんは、宮城県名取市の閖上保育所所長時代に東日本大震災に遭い、地震・津波・寒さ・火災から子どもを守るための決断を迫られながら、全員の命を守った。その対応を「ゆりあげの奇跡」と言われるが、実際は過去の教訓を生かしあらゆる災害を想定して、集合場所や役割分担、避難場所、持ち出し物資などを常に確認と検証をし、マニュアルを見直し、職員が覚えられるように訓練してきた結果だった。「マニュアルを作って安心ではダメで、訓練に対する各自の行動を元にマニュアルを見直すことが重要だ」と説明した。最後に、「被災地はこれからもできるかもしれないが、被災者を減らすことはできるはず」と防災教育への熱い思いで締めくくった。

後半は、講演の内容を踏まえ、職場の防災の状況や課題について意見交換し、日頃の備えが大切であることを共有した。

会計年度任用制度は仲間づくりのチャンス

本部臨時・非常勤等職員全国協議会が総会

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本部・臨時・非常勤等職員全国協議会は8月26日、福岡市内で第16回総会を開催。35県本部1社保労連153人が参加した。

冒頭、全国協議会の江原議長、福島本部書記長、組織内の岸まきこ参議院議員らがあいさつ。この間の経過報告と新しい仲間の紹介の後、野角事務局長より活動方針が提案された。

野角さんは「会計年度任用制度確立に向け、年内にはすべての自治体で条例化が終了する。この制度の導入により処遇改善を勝ち取ることが、地域公共サービスで働くすべての非正規労働者の処遇改善につながる。一歩でも前進できる制度を現場で構築するため、自治体単組と協力し私たちの声を当局に届けよう。さらに、制度導入を仲間づくりのチャンスととらえ各自治体で働く臨時・非常勤等職員の組織化を進めよう」と提起。2020−21役員体制では、松本知子議長(大阪府本部)をはじめとする新体制が提案され、すべての議案は全体の拍手で承認された。すべての自治体単組は、総務省マニュアルに示される内容を最低基準とし、妥結基準の到達をめざした交渉・協議をお願いしたい。また、当時者である臨時・非常勤等職員の運動とし、実態や意見を集約するためにも組合加入を進めよう。

非正規問題は地域の問題

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総会後は、弁護士の中野麻美氏より「会計年度職員制度の導入を前にして」と題した講演が行われた。女性の貧困問題と非正規労働者の処遇問題を説明した上で、アベノミクスでは一億総活躍というが、「高齢者は年金を受給せず、筋トレやって低賃金で働き続けろ。女性は2人以上子どもを産んで、なおかつ低賃金で働き続けろ。という政策であり、格差と長時間労働が拡大するだけだ」と批判。

自治体の非正規化についても「全体が足を引っ張りながら、公務員の正規職員の労働条件を下げていくメカニズム。非正規の処遇改善は人権問題である。地域に生きる主人公として、地域の問題として非正規職員の労働問題を捉えなければならない」と話した。最後に、「非正規の背景は、日常生活や企業で構造化されているジェンダー(性別役割)に基づく差別。それを根本から取り除くことが、日本の経済を元気にできるかどうかの決め手」と指摘し、労働組合にその役割を期待した。

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