2020年12月1日・15日号(第817号)

地域の実情で手当支給を

2020確定闘争

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府本部は11月17日、京都府自治振興課と11月10日に提出した「2020自治体賃金確定要求書」について回答交渉を行った。交渉では、諸手当や会計年度任用職員の処遇改善について府の見解を引き出すとともに、市町村への適切な助言を求めた。府本部は8人、京都府は4人が出席した。

賃金・諸手当

砂子坂自治振興課課長は、賃金について、「民間および国家公務員との均衡の原則に基づき、基本的に各自治体での十分な労使交渉のもと、職員団体の理解を得て行われていると認識。財政状況が厳しい自治体は、住民や職員の理解を得て適切に対応するよう助言している」と回答。

府本部は「人勧準拠では2005年と比較し平均で6・8%給与水準が下がっている。職員のモチベーションを維持するためにも、各自治体のラスパイレス指数が100前後になるようしっかりと助言や情報提供を」と求めた。

災害応急作業や有害鳥獣駆除等の特殊勤務手当について府は、「危険や不快などの特別な勤務に対し支給されるもの。地域の実情で諸手当の導入はできる。住民理解の上適切な運営を」と述べた。

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働き方改革

労働時間短縮などの働き方改革について、府は「36協定の締結は総務省からも強く言われており、各団体に様々な機会を通じて助言する。またワークライフバランスを進めていく上でも重要であり、年次休暇の取得促進についても助言していきたい」と回答した。

府本部は、「人事委員会のない自治体では首長が労働基準監督機関としての役割と機能があり、責務を果たすよう助言を」と求めた。

会計年度任用職員制度

会計年度任用職員の格差是正について府は、「法の趣旨に基づき、常勤職員の給与等を基礎とし、各団体で職務の内容や責任等を考慮し決定いただくべきもの」と述べ、フルタイムの退職手当や休暇制度についても「常勤職員と同様に確保されるよう助言を行う」と話した。

府本部は「常勤職員の昇給制度との均衡を求める。市町村では保育士などは常勤職員とほぼ同じ仕事。数年で昇給停止となったり、1年1号昇給などでは均衡ではない」とさらなる助言を訴えた。また、期末手当の引き下げを行わない場合の特別交付税の減額について質問したところ「今年は減額されることはないのではないか」との回答を得た。

労働安全衛生

コロナ禍における在宅勤務について府は「夏ごろからタブレット端末やオフィスソフトのアカウント付与などについて対応した。デジタル化は今後急速に進み、公務に適した在宅勤務についても検討が必要となる。同時に労働時間管理の在り方について検討していきたい」と回答があった。

最後に高橋委員長が「会計年度任用職員制度は、法の趣旨に基づく制度設計となるように助言を。コロナ禍で組合員はリスクを伴いながら奮闘している。職員がモチベーションを向上できるよう後押しをお願いしたい」とし、交渉を終えた。

連携して課題解決を

JI-UP総会

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府本部労組法適用組合協議会(JI‐UP京都)は11月7日、第22回総会をハートピア京都で開催。委任状を含む13単組27人が出席し、2021年度の運動方針と役員体制を決定した。

小檜山議長は「JI‐UP京都で単組の活動を情報共有し、賃金や労働条件の改善と仲間を増やす取り組みに力を入れたい」とあいさつ。来賓の高橋府本部委員長から激励のあいさつを受けた。

議事に入り、2020年度経過報告、2021年度運動方針案と役員体制案が承認された。経過報告では、京都市に対し、コロナ禍の中で休館を余儀なくされた指定管理職場への財政支援や雇用確保等を要請したことなどを報告。運動方針では、JI‐UP、府本部、単組が連携して課題を解決していくことや、学習と交流を深める活動を中心に進めることを提起した。また、アカデミー労組、ユース職組、競輪労組が厳しい状況下で闘う決意を発言した。

総会の前段には第11回パワーアップセミナーを開催。京都産業保健総合支援センターの松田雅子さんが、「誰もが治療と仕事を両立できる職場をめざして」と題して講演。がんになっても働き続けられるよう会社が取り組むべき環境整備や、両立支援サービスについて具体例を含めて説明した。

顔の見える運動で働きやすい職場づくりを

町村評総会

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府本部町村職評議会は11月25日、京田辺市商工会館で第28回定期総会を開催した。参加者は4単組8人。

冒頭、主催者あいさつの中で宮川議長は、「本年の人事院勧告は期末手当を0・05月分引き下げる勧告が行われた。コロナ禍での業務増加や職場環境の変化など、町村職にとっては厳しい状況が続いている。職場の課題を的確に要求に結び付け、各単組の交渉で賃金・労働条件の確保、職場環境の改善をお願いしたい。『お互いの顔が見える町村評』だからこそ実現できる運動を展開し、働きやすい職場づくりをめざそう」と訴えた。続いて、来賓の川戸府本部副委員長から激励のあいさつを受けた。

2020年度経過報告ならびに2021年度活動方針および役員体制を提起し、すべての議案は可決・承認された。

新役員体制は次の通り。議長・宮川恵至さん(宇治田原町職)、副議長・西川翔さん(井手町職)、事務局長・藤川雄丞さん(久御山町職)、幹事・野依航平さん(笠置町職)

人員確保に向け各単組で交渉を

公企評総会

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府本部公企評は11月20日、ハートピア京都で第42回総会を開催。委任状を含む4単組13人が参加した。

冒頭、上田議長(宇治田原町職)は、「水道の広域化や施設の統廃合、民間委託など公企職場を取り巻く環境は厳しい。中でも技術継承の問題は喫緊の課題。府本部公企評に結集し、人員の確保をめざそう」とあいさつ。高橋委員長から連帯のあいさつを受けた。

議事に入り、経過報告と活動方針、役員体制が提案され、参加者全員の拍手で承認された。

総会後、「八尾市における労働安全衛生について」と題した学習会を開催。講師には、近畿地連公企評の松本事務局長を招いた。

松本氏は、八尾市水道局における労働安全衛生委員会の具体的な取り組みについて説明し、「コロナ対策や職場巡視など取り組めば課題は見つかる。労働者の健康保持と快適な職場環境の整備は事業者の義務である。毎月1回は労働安全衛生委員会の開催を」と提起した。

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