2022年2月1日・15日号(第837号)

公共サービスにもっと投資を

2022春闘

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2022春闘ポイント
  1. 公務職場の賃金・労働条件の改善
  2. 公共サービスに携わる人員の確保
  3. 定年引き上げに向けた諸制度の確立
  4. 会計年度任用職員の処遇改善と組織化
  5. 民間職場等の賃金・労働条件の改善
自治労の春闘方針

自治労にとっての春闘は、地域公共サービス労働者の賃金改善と同時に、質の高い公共サービスの実現をめざした政策・制度の実現と、地域労働者全体の生活環境の底上げをめざしたものと位置づける。春闘期に要求-交渉を開始しても直ちに解決できる課題は多くないが、人勧期、確定期の交渉にむけた“とっかかり”として、春闘期に交渉・協議を開始することが必要だ。春闘を「1年のたたかいのスタート」として、すべての単組で「要求-交渉-妥結(協約化)」のサイクルの確立に向けて取り組みを進めよう。

また、ウィズコロナ・アフターコロナにおける職場の課題についてもこれまで以上に職場の声を集めて要求につなげることが重要となる。次の5点を春闘のポイントとし、すべての組合員による「参加する春闘」の取り組みを積極的に進めよう。

春闘のポイント

@公務職場の賃金・労働条件の改善

すべての自治体単組において、職員の給与実態を十分に把握・分析し、単組として目標とする賃金の到達水準の確認を行うとともに、その実現にむけた具体的な運用改善について、少なくとも「1単組・1要求」を行い、労使交渉に取り組む。

A公共サービスに携わる人員の確保

業務量に見あわない人員体制が恒常化し、多くの職場で時間外労働や過重労働が深刻な課題となっている。人員配置の実態などの職場点検を実施し、安全衛生委員会での時間外労働の状況などを活用して、人員確保の要求・交渉を実施する。

B定年引き上げにむけた諸制度の確立

すべての単組が定年引き上げにむけ、@60歳以降の働き方・職務・配置ポストの検討、A組合員層の到達級の確保、B55歳以降の昇給の確保、C役職定年、定年前再任用短時間勤務制度等の課題について協議・交渉を行い、春闘期での妥結をめざす。

C会計年度任用職員の処遇改善と組織化

常勤職員との均衡・権衡という2020年4月の法改正の趣旨を十分に踏まえた処遇となっていない実態が見受けられる。自治体における同一労働同一賃金の実現にむけ、同じ職場で働く仲間として当事者からの意見を集約し、会計年度任用職員の処遇改善と組織化に取り組む。

D民間職場等の賃金・労働条件の改善

すべての単組・職場で賃金・労働条件改善の取り組みを行う。また、長時間労働の是正や法令遵守の観点から、36協定の締結・点検・見直し、年次有給休暇の100%取得など、働き方改革の定着にむけた取り組みを強化する。

一人ひとりの声を要求に

コロナ禍の中、人員不足が明らかとなり、働き方でも新たな課題が生じている。この春闘期において重要なことは、組合員一人ひとりの「声」を聞き、現場の「声」を要求・交渉につなげていくことだ。組合という組織があるから、一人ひとりの声を要求という形で当局に届け、実現できる可能性がある。そのことが組合の存在感につながるので、参加する春闘に結集しよう。

公共サービスにもっと投資を!キャンペーンの実施

公共サービスと公共サービス労働者について、重要性と存在価値を高めるため、地域アピール行動や職場からのアピール動画コンテストを実施する。

闘争体制の確立

自治労は、全組合員が参加する春闘体制の構築のため、ストライキ批准投票を全単組が実施し、産別闘争体制を確立する。

要求案や行動など具体的な闘争体制については2月4日に開催する府本部第176回中央委員会で提案する。

改正された育児・介護休業法、4月1日施行

男性の育休取得、促進強化へ

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労働者が離職する原因のひとつとなる「出産・育児」や「介護」。生産年齢人口が年々減っていく日本社会では、労働者がワーク・ライフ・バランスをとりながら働き続けられる職場環境を作っていくことは喫緊の課題と言える。

そのような中、2021年6月に育児・介護休業法が改正され、2022年4月1日から段階的に施行される。今回の改正では、ジェンダー平等社会の構築に向け、特に男性の育児休業取得促進のための枠組みが新たに追加された。主な改正・変更点は以下の5点。

主な改正・変更点について

1.「出生時育児休業」制度の創設

「男性版の産休制度」とも言われている「出生時育児休業」であり、男性の育休取得の推進を目的に新設されたもの。子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる育児休業で、2回まで分割取得も可能。申請期限も、現行の「原則1カ月前まで」から「原則休業の2週間前まで」と短縮される。

また、労使協定を締結すれば、休業中の就業も一定期間可能となる。「出生時育児休業」の期間以降は、現行の育児休業制度を利用することができる。

2.育児休業を取得しやすい雇用環境整備と個別の周知・意向確認の義務化

育児休業をより取得しやすくするための雇用環境整備が義務付けられた。これは現行制度には規定がなかったもので、職場での研修の実施や相談窓口の設置などを行うことに加え、労働者が希望する期間の休業を取得できるよう、事業主に配慮が求められる。

また、従業員やその配偶者の妊娠・出産が判明した際に、育児休業制度について周知するとともに、取得の意向を確認することも事業主の義務となった。

3.育児休業の分割取得

現行制度では育児休業の分割取得はできないが、改正法では2回まで分割取得ができるようになる。これは前述の「出生時育児休業」期間は除かれるため、出生後8週間以内に育児休業を2回分割取得した後、さらに2回分割して育児休業が取得できることになる。

さらに、現行制度では、1歳以降に育休を延長する場合、育休の開始日は1歳、1歳半の時点に限定されていたが、改正後は各期間の途中でも取得が可能となる。

4.育児休業取得状況の公表の義務化

常時雇用する労働者が1000人を超える事業主に対し、「男性の育児休業の取得率」または「育児休業および育児目的休暇の取得率」のいずれかを選択し、公表することが義務付けられる。

5.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

有期雇用労働者の制度利用について、現行制度で定められている「引き続き雇用された期間が1年以上」という取得要件が廃止され、「子が1歳6カ月までの間に契約が満了することが明らかでない」という取得要件を満たせば有期雇用労働者も育児・介護休業が取得できる。

ただし、労使協定を締結した場合は、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することは可能となっている。

働きやすい社会をめざして

これら法律に違反した場合は、行政から報告を求められるとともに、改善のための勧告を受けることもある。報告を怠ったり虚偽の報告を行った場合や勧告を無視するなどした場合は、罰則として企業名の公表や最大20万円の過料が科される。

労働者がライフステージの変化によって、意に反して仕事を辞することなく、誰もが働き続けられる職場を実現していくため、それぞれの職場で改正法に沿ったルールの改正や、制度を利用しやすい環境づくりに取り組んでほしい。そのことがジェンダー平等で誰もが働きやすい社会への変化につながっていく。

連合大阪
副事務局長 松井千穂

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